五十日も東京を離れていると、茶の湯世界で何が起きていたか、一向にわかりませんが、風の噂では、結構、コロナの影響は、ちょこちょことあったようです。
コロナがこれだけ猛威を振るうと、茶の湯の世界でも、実はいろいろあるらしく、コロナの感染で、重要行事が飛んだとか、縮小されたというようなことも、各家元クラスの世界で起きていると風聞します。プロ野球なんかだと、選手 ・スタッフが感染すれば、公表して出場停止にし、俳優なんかでも公表の上、休演となるので、すぐわかるのですが、茶の湯の世界では、一々公表したりしませんし、元々密やかな一面のある世界ですから、あそこの稽古場で感染者が出たとか、そういう話は全く広がりません。噂は流儀内の、それも、うんと狭い範囲内で終わってしまうのでしょう。しかし、この夏前の感染の猛威は凄まじく、去年、一昨年には、私の知人でコロナに罹患したという話は、一件きりだったのが、この夏、無沙汰の詫びを兼ねて、四軒の知友(茶の湯関係の知人ではありません)に、暑中見舞いの電話を掛けたところ、なんと三軒がコロナに罹っていたと知り、呆然としました。皆、治癒はしたそうですが、こんな確率で感染話を聞くと、茶の湯の世界だけが無事である筈はなかろうと思います。妻の茶友も、夏前に、二人ほど感染したそうで、去年、一昨年は、濃厚接触者が一人聞いただけなのにと嘆いています。帰京後は、幸い、まだ、感染したという話は聞かないそうですが。
これも、風の噂で聞いたので、真偽の程は保証しませんが、裏千家の鵬雲斎大宗匠、大変な御高齢ですが、「自分は毎日、大量の茶を喫している。だから、絶対にコロナに罹らん」と豪語されて、それほど予防に気を使われないということです。そう言えば、某大稽古場の老先生も、お茶はコロナに効くという信念のもと、稽古場で弟子がマスクをしていると叱られるという噂を聞きましたが、茶のカテキンが、コロナの予防になるという説も確かに耳にしたことはあるものの、科学に弱い私は、それが真実なのか、都市伝説なのか、確かめる術もなく、大宗匠や老先生ほど、毎日沢山の茶を飲むわけでもないし、本来臆病者ですから、帰京後は、鬱陶しいと思いつつ、マスク生活に逆戻り。マスクが嫌なら人と会わないに限ると外出を控えることになり、世間が益々狭くなって困ったものです。早くコロナのない世界で茶の湯を楽しみたいというのは、当たり前すぎる願望でしょうが。
萍亭主