今日の東京は、久しぶりに雨、気温も今のところ、室内は28度、体感はもう少し低く感じるほど、猛暑慣れした体も一息ついています。

  一昨日の土曜は、まだ暑かったのですが、東美正札市にl行ってきました。暑いからどうしようとも思ったのですが、広島に転勤した知人が、わざわざ来るというので、腰を上げることに。知人は本当に道具好きで、毎年のこの会を楽しみにしています。知人の話によれば、東京の方が広島より暑い、広島の方が茶の湯の古道具はずっと高い、東京じゃ二流品扱いの某和尚などの軸が、ブランド風な扱いを未だにされている、などという話を聞きながら開始を待ちます。検温、消毒、記名は昨年通り、ただ昨年は受付済みの人は、服に付けるシールを渡され、それを衣服の見えるところに貼れという指示でしたが、今年はそれがなし。入場者は、それなりに大勢いて、中国人も少数いれば、茶の湯をやっているらしいご婦人のグループもかなり見かけて、最盛期の7割くらいの入りかと想像したのですが、肝心の出品数は、地方の店があまり出さない故もあるか、寂しい感じがあります。まず、軸が大分少ない感じ、そして、食器がやたら多い感じがします。それも、懐石道具というより、ちょっと高級料理屋で使う感じのもの、ですから、折敷、塗りの椀類も、華やか過ぎるものが多く、向付にはちょっと小さいか、変形の器も多いし、茶懐石とは、少し趣が違うものが多い。あるコーナーでは、永楽代々や、白井半七、八田円斎、真葛などなどの色絵、交趾、赤絵、染付など華麗な五人用十人用の器がずらりと並び、知人が「どこかの料亭が閉店して整理したにl違いない」と呟く有様。そして、なぜか、毎年定番的に多い、萩茶碗や高取水指が、今回は妙に少ない。何より、ほとんどが、昭和以降のもので、大正明治は勿論、江戸のものなど、昔に比べ、本当にに少なくなり、今回が第70回という節目の会としては、個人的には寂しく感じました。知り合いの道具屋さんが、お客から処分を頼まれた道具を五十点ほど出しているというので、何か古いものはある?と訊くと、全くなし。和全が一点あるが、印池じゃしょうがない。お客も古いものは、なかなか手放さないようです。並べた品の中に、大徳寺十二代管長浩明老師の茶杓(定泰和尚下削り。近江弧篷庵再建時)があり、30年以上前、同じ手の品を買ったのを思い出して、「あんたのとこから買ったよね」と昔話をすると、道具屋さん「申し訳ありません。あの頃は相場が高かったので」と、ちょっと、恐縮。あの頃の私が買った値段の7分の1ほどの値が、正札にはついていました。茶道具の価格の推移の一面というところでしょうか。

   萍亭主