六、七年ぶりじゃないかと思いますが、旧知の道具屋さんが拙宅を来訪。
久しぶりと言っても、毎年、外の美術市などで世話になっているので、面会していないわけではなく、電話でもよく話すのですが、我が家に訪れるのは久しぶり。以前は店を開いていたのですが、今は店を閉じてしまい、半分隠居状態で、不動産で生計は立ち、骨董は趣味半分で扱っている人。実は、関東の骨董商には、ビルの賃貸など不動産業の収入で、店を維持している向きも多く、一流の骨董商が、ゆったりした商売を続けられるのは、多くはその故のようです。
久しぶりの骨董談義に花が咲きましたが、骨董界の状況については、以前、このブログにも書いたような状況は、全く変わってはいないようです。品物の値の下落は止まらず、ネット商法の進出で従来の商法は通用しにくくなるなど、この数年の傾向はますます深まるばかりのようです。「これから先、どんな物が売れるのか、皆悩んでますよ。今の人たちは買い方が変わってきた。昔のように、勉強して、この作者だからとか、こういう伝来、書付だからとか、この窯元の品だからとか、千家十職というようなブランドを求めるとか、そういうことがなくなって、自分が好きだという直感だけで買う人が多いようです。ある意味、悪いことでもないんだけれど、従来の茶道具の常識が通じなくなった面もある」という話は、成程そうかも、と感じる節もありました。最近の和美の会に行った話をして、どうも関西の業者の方が、昔ながらの値を付けて、関東の業者より高い気がしたと話すと、頷いて「関西の業者の方が気が長いんですよ。いつか値が上がるかも知れないからと辛抱してじっと持っている。関東の業者は、気が短くて、損を出してもいいから在庫をなくすかという傾向がある」と言いました。「ネットオークションは、出品している業者が、自分で提灯つけて値を釣り上げる例が多いから用心した方がいいですよ。品物が探しやすいというような利便性もあるけれど」という話が出たので、実はこの数年で、小品ばかりですが四点ほど、ネットに手を出して買い入れた品があり、自分では掘り出し物と思っていても、やはり自信がなく、恐る恐る鑑定を請うと、「ああ、これは良い品ですよ、値段もそれならいいでしょう」と、四点ともパス。ホッとしました。一点だけ、「安いし、悪い物じゃないが、この手をお求めになるなら、ここがこうなっているものの方がよろしいと思う」と、プロらしい助言を受けましたけれど。いつまで経っても、骨董買いは難しいものです。
萍亭主