淡交社で出している雑誌「なごみ」が発刊五百号を迎えるそうです。
それを記念して、一昨日の金曜日と昨日土曜日に、記念茶会が催されたそうです。濃茶席が大樋焼窯元十一代長左衛門氏、薄茶席が茶道会館の奥様・北見雅子氏となごみ編集部で、一席十五名づつで、一日六席、つまり二日で百八十人を招くという、いわば大寄せのやや小さい、中寄せ?時間を決めて招くわけですから、従来の大寄せ形式ではなく、豪華な点心席もつきます。場所が何とも珍しく、茶の湯系の場所ではなく、渋谷のセルリアンホテルタワー。帝国ホテルやニューオータニに茶室があるのは知っていましたが、あのホテルに茶室があったのか?と思ったら、以前このホテルに入っていて、今は撤退した料亭「金田中」の設備で、七畳中板上げ台目切りで、踏み込み床、一応露地らしきものもついた茶室が、今はホテルのものとしてあるのだそうです。薄茶は、最上階の一泊◯十万円のスィートルームの応接室で、客はソファに座り、亭主はテーブルで盆略点前の趣向のようです。会費が三万八千円とかなり高いのですが、85%の集客だとか。お茶会がなく、茶会に飢えている人たちも多いとも聞きますし、遠方からのお客もあったようです。蔓延防止条例も解けたことですから、今後は少しづつ茶会があるのかもわかりません。今度のゴールデンウィークに茶会が結構 あるらしいとも仄聞します。さて、記念茶会の内容は。いずれ誌上に記事が載るでしょうが、妻が水屋の手伝いに行って、濃茶席の会記を持ってきたので、ご披露。
軸は円能斎の筆「神光天地照」、花入は認得斎作の竹一重切で銘「神わさ」、香合は仙叟伝来写の亀の洲で五代大樋の作、釜は初代寒雉の丸釜で「芳土庵」文字入り。水指は初代大樋の手付で海老摘みの蓋という有名品、茶入は仙叟宗室の手作り茶入を飾り、十代長左衛門がそれを写したものを使用、茶杓は玄々斎作で三本組の「和歌三神」。主茶碗は空中信楽、川上不白の箱で、門外不出の品だそうです。替え茶碗は、故伊住宗匠の手作りなどの大樋焼、数茶碗も大樋焼が沢山出されたのは当然でしょう。蓋置は淡々斎在判の竹、建水はモール、茶は佳辰の昔で上林詰、菓子は金沢吉はし製で、なかなか手に入らないものだそうです。菓子の銘々皿は、大樋当代の創作でお土産としてお客に渡されました。長左衛門氏の闊達なご亭主ぶりと、夫人がお点前、御子息がお運びと、一家でのおもてなしに、お客は満足されたことでしょう。
私は「なごみ」を読む、というより、たまに覗くようになったのは、そんなに昔でもなく、雑誌の存在を知ったのはいつかは忘れましたが、五百号もの歴史があったのかと、今更感心しました。
明日からまたブログを休みます。
萍亭主