誰も知らない話を書いている最中ですが、今日はちょっと息抜きに、最近のおかしな体験を。
私の住む町では、自治会が月末に、資源回収を行います。古紙、新聞紙を回収するので、古紙には、雑誌、書籍なども多く含まれます。各家の門前から、リヤカーなど人力で回収するのは、ボランティアで参加する人々です。
実は、うちの孫が、これに参加していて、小さいながらに努力しているようですが、先月末の回収から帰って来た時、本を二冊抱えてきました。もともと、捨てられる品なので、読みたい本が有れば持っていってもいいという事で、漫画本など捨てられていると物色するらしいのですが、今回持ち帰って来たのは、二つとも和綴の古い本、
「お茶の本らしいから貰って来た」というので、見てみると!
一冊は、裏千家十三代家元円能斎が書いた「風興集」
巻頭には大徳寺六代管長傳衣室全提要宗老師の筆蹟があります。昭和十一年六月、円能斎死後13年目に初版が出版されたのですが、これは昭和15年の6版です。出版元は、円能斎の子息、井口三郎(海仙)の茶道月報社。点前のことを中心に書かれた本ですが、版数からいって、当時、結構売れた本なんだとわかります。しかし、戦後は次の代の家元の点前本が出版され、多分、ほとんど出されなかったのでは。私は読んだことはありませんでした。しかし、今年7月8日のブログに書いた通り、裏千家現家元が、円能斎が考案した各服点(濃茶を呑み回さない、一碗づつ点てる)をビデオで紹介し、今の時期にふさわしいと推奨、その点前が書かれているのが、この本だけなので、大きな反響があり、在庫が売り切れたとかいう噂を聞きました。その本が捨てられていたとは。
もう一冊は、「山田宗徧傳」
宗徧流八代家元、山田宗有の著書で、昭和3年の初版。大阪の知音発行所の出版です。昨年2月8日の当ブログ「大同団結」で書いたように、宗徧流を再結成した宗有が、流儀の意識を高めるためと、新しい家元としての権威を示すために書かれたものでしょう。同時に、この頃は、宗有はもう大阪に本拠を移していたことがわかります。
巻頭には、再結成の時から後援していた子爵海軍中将小笠原長生が揮毫を寄せています。宗徧が宗旦から茶道として推薦され勤め、子孫も茶道として仕えた小笠原家の当主として担がれていたのでしょう。
この本も私は読んだことなく、これから目を通すつもりですが、何なら、宗徧流の知人に贈呈しようかなとも思います。
それにしても、こんな本が捨てられていたなんて!こういう本をお持ちとは古い茶家であろうと思いますが、代替わりで茶をなさらなくなったのでしょう。やはり本は、売れようと売れまいと、古本屋に持ち込むべきで、ゴミに出してしまえば、もうそれきりで、貴重な資料が失われることになるのですから。ま、孫も歩けば本に当たるで、いいものを拾ってくれたものです。
有難く受け取りましたが、まだ孫には、何も与えていません。どうしようか思案中です。
萍亭主



