いよいよ緊急事態宣言が発令、世間様は灯の消えた状態で、真っ暗。茶の湯の世界も当然蟄居閉門感で、まあ、これから、どんな展開になるやら。

 当ブログを訪ねてくださる方もこの一週間激減し、それどころじゃないよ感が漂います。これも当然といえば当然。世間様がこんな状態で、呑気らしく駄文を綴るなんて、茶人の浮世離れにも困ったもんだと舌打ちが聞こえそうで萎縮しますすが、いやいや他人様の暇つぶしの、ほんの一助になるかも知れないと、気を取り直し、ブログを続けることにしました。

 暗い世相を笑うには、やはり落語の話題の継続と致しますが、しばらく、落語「金明竹」を取り上げようかと。この噺、本来は前座噺と聞いたことがあるような気がしますが、ともかく、茶道具の名前が沢山出てくる、その語呂合わせの洒落がメインなのですけれど、並べられる道具七品が、聴いてる方、よくお分かりかどうか。分からなくとも、勢いで笑ってしまうんですが、道具を理解していれば、もっと面白いはず。しかも、演者によって、やり方が変わるのですが、道具七品、本当にあるの?足りなかったり、多すぎたりしてない?この辺、研究してみるとなかなか面白い。

 そこで、大研究して見る気になったのですが、考えてみると、前にも申した通り、私は落語通でもなんでもない、落語通の人から、そんなこと、とうに知ってらぁとか、落語の面白さや本質と何の関係があると怒られそうですし、茶の湯関係の人からは、落語の話を研究して、それが茶の湯の何の役に立つと叱られそうです。ま、個人の趣味で、イグノーベル文学賞でも狙うつもりで、研究を進めましょう。

 「金明竹」は、舞台は道具屋、愚鈍な甥っ子を預かった主人は、甥っ子の言動に悩まされます。爪を綺麗にと言うと猫の爪を切る、店前を掃除しろと言うと水の撒き方も知らない、もういいから二階を掃除しろと言うと畳に水を撒く。店番をさせておくと、俄雨で、通りすがりの者に、高価な傘を貸してしまい、傘を借りたいと言われたら、こう断れと教えると、猫を借りに来た隣家に傘の断りを言い、猫を断る口上を教えると、ご主人のお顔をお借りしたいと来た同業者に、猫の断り口上で拒絶。この前半が、与太郎(愚鈍)話の典型で、ここまでで大いに笑わせるので、後半部分も勢いがつくのでしょう。

 後半は、主人の留守に同業の中橋の加賀屋佐吉から使いの者が来て、仲買の弥一が持ち込んだ道具七品につき、ご主人に伝えてくれと、上方弁の早口で口上を述べる。甥っ子には当然理解不能、出て来たおかみさんが聞いても分からず、繰り返させるが、わからないまま、使いは去り、帰って来た主人に問われて、おかみは四苦八苦しながら、聞いた道具の片言から、いい加減な話をでっちあげる。道具七品は大した道具なんですが、その語呂合わせだけで客を笑わし、道具七品に関する具体的な説明はありません。あくまで使いの喋り方と、おかみのこじつけ方で笑いをとるわけです。

 最近は、この使いの上方弁なのを、名古屋弁や津軽弁、博多弁でやる演者もありますが、やはり上方弁の方が、道具屋らしい雰囲気がある。この噺、上方落語でも舞台を大阪にして演じるのも聞いたことがありますが、同じ上方弁で理解出来ないの?という感じを持つ弱点があるようです。

 前説だけになりましたが、次回から、研究の成果を?

   萍亭主