茶室について書きたいことは山ほどありますが、一寸方向転換した話題を。

  東京の茶の湯が京都に比べて、どうもかなわないという感じは、茶室だけでなく、他にもあります。その一つが家元の存在です。

   何しろ京都には、三千家と藪内流という最も古い伝統を誇る家元が鎮座しています。どうしても京都はお膝元で、東京は出先、出張所という感じです。勿論、東京にも家元は存在しています。でも、三千家や藪内家が、四百年近い昔から、一度も動かず、今の場所に居を構え、長い伝統を誇っているのに対し、東京の家元は流祖からの歴史は長くても、東京に定着したのは殆どが明治大正以降、規模も正直言って比べるとかなり小さい。少し、東京の家元を考えてみましょう。

   家元の数だけなら、京都より東京が多い。京都は三千家、藪内の他は、速水流、玉川遠州流、織部流、石州流怡渓派、同大口派、庸軒流正員派、御所流くらい、併せて11軒ほどですが、東京の方は数えると結構ある。

   古いところで遠州流宗家が新宿若宮町に、江戸千家が台東区池之端と文京区弥生町に、宗和流が武蔵野市にあります。杉並区に表千家不白流と久田流、日本茶道院が、中野区に東千家が、渋谷区に宗徧流時習軒、目黒区に宗徧流正傳庵、練馬区に小堀遠州流と有楽流、台東区に都千家と石塚流、文京区に石州流伊佐派、同林泉寺派、港区に石州清水流、葛飾区に石州流(宗猿系)、江東区に細川三斎流、世田谷区に遠州流林義朴派、新宿区に茶道雅流、正確には家元でなく会長制ですが、比較的大きい四谷左門町の大日本茶道学会と、倍はあります。更に東京の近場では、鎌倉に宗徧流不審庵と同じく四方庵、横浜に安藤御家流 、壺月遠州流、石州流野村休盛派、江戸千家新柳派、藤沢に鎮信流、千葉に式正織部流があります。見落としが あったら御免なさい、茶の湯の 流派は全国で百三十近くあると聞いたことがありますから。あー、数えるのに疲れた、続きはまた次回。

   萍亭主