メモ:オノマトペについて | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで

オノマトペの翻訳の問題を主題にしたいので、筆者のこだわる歴史的な議論は省略しようと思う


『犬は「びよ」と鳴いていた』山口仲美

2002初版光文社新書


一部擬音語・擬態語の不思議

(1擬音語擬態語に魅せられる

・擬音語擬態語には毀誉褒貶ある

幼稚・下品や、ユニーク、面白いなど

英語では350種類しかないが、日本語では1200種類ほどもある

日本語の特色ともいえる表現だ


・日本人には聞いただけでイメージが浮ぶ言葉であるが、それを外国人に伝えるのは難しい

日本人にとっても古いオノマトペはむつかしい

うるうるした月、朝日がつるつると出るなど


・古いオノマトペを調べるうちに魅了された、と筆者は言う

動物の鳴き声も、今と昔で表記が違う

犬は「ひよ」と鳴くと書かれている

今昔物語集のオノマトペ

和歌の掛詞にもオノマトペ

源氏物語のオノマトペ


(2擬音語擬態語のかたち

語形

A(ッ、ン、ー)…ふ、きっ、がん、すー

AA(ッ、ン、ー)…ふふ、ぱっぱ、くっくっ、くんくん、ぐーぐー

AB(ッ、ン、リ)…どさ、どきっ、くすん、きらり、さっくり、こんがり

ABAB…きらきら

ABB…うふふ

動詞型(めくをつける)

きらめく、ふためく、きらめく、ひらめく、ざわめく、ときめく


繰り返し、促音撥音長音による派生

ヒットの音

か、かん、かーん、かかん、かこん、かっきーん

飛び方を表現し分けることが出来る

擬音語擬態語、語形の通時的変化


(3擬音語擬態語の寿命

(4変化

(5掛詞


(6辞典の中のオノマトペ

「日本人には辞書を引かなくても意味がわかる」、「品に欠ける」から「普通の国語辞典」には載りにくい言葉である

外国人と翻訳者は必要とするので、特殊辞典がある

⇒実際に二三冊当たってみる必要がある


辞典について、作者の所見

既刊の辞典は詰めが甘いのでちゃんとしたものを自分で作りたい

類義語への配慮が甘い、オノマトペの説明中にオノマトペを用いている例

解説がわかりにくい

漏れなくダブりなく作られていない

歴史的観点が欠如している

ビジュアル情報が欲しい


オノマトペの定義と、例をもう少し(特に方言の擬音語擬態語があるとなおよし)

宮沢賢治も少しいれたい

外国語翻訳について記述をもう少し

ほかの文献に当たるべき


オノマトペとは、「擬音語」と「擬態語」のこと。

○擬音語…擬音語は物が発する音を字句で模倣したもののこと。

・ヒツジがめえめえと鳴いている
・風がびゅうびゅう吹いている

○擬態語…状態や感情などの音を発しないものを字句で模倣したもののこと。

・雪がしんしんと積もる
・酔っ払った早大生が深夜のロータリーをふらふら歩いている

→「誰が・どのように・どうした」の、「どのように」を示すことばである