学費によって学生(厳密には学生の親)は何を買うのか?
01教育サービス(教員の雇用問題に通じる)
02研究施設利用権(規制問題に通じる)
03学生という時間そのもの(就活による圧迫)
04就職のための学歴
それは、大学とはなんであるかという問いの答えでもある
01えらい先生に教えてもらうところだ
02ただ自分の好奇心にのみ依って知的探求をするところだ
03大学外部の社会の時間とは異質な時間を過ごすことだ
04学歴のために最低限のコストで単位を取得することだ
・講義に潜りまくる
・図書館に篭って読書しまくる、研究室で実験しまくる
・サークル活動にいそしむ、友だちと遊ぶ、恋愛する
・余った時間はすべて「就活」である
バイトをしまくるという選択肢は、大学生であることそれ自体からはちっとも導出できない
白樺派の誰かは(武者小路実篤?)親のツケで高級な洋書を購入し、それをただちに古本屋で売却してお小遣いを増やしていた
それと構造的に変わらない
以上の考察は、学生運動が消費者運動になりうるか、という問いを考えるためだ
産業資本の徹底としての消費社会においてコミュニズムは階級闘争としてではなく、消費者運動としてのみ可能である
学生と親との複合という主体を立てた時には、場合によってはそれは消費者運動になりうるのではないか
サービスの向上、施設環境の向上については競争の中の努力が求められる
私たちはそれをボイコットできる
学生という時間そのものについては、どんな大学でも変わらない
私たちはそれをボイコットできる
最大のネックは、「学歴」である
就活のありかたが、学歴に依存するところが大きいときに、学生運動は消費者運動に転化し得ない
私たちはそれをボイコットできないからである
学費が不当に向上させられていることは、明白である
問いは先にすすめられなければならない
では、学費が不当に向上し続けるのはなぜか
なぜ、わたしたちは不当に高い学費を払い続けるのか
社会が学歴中心主義を維持し続けるからである
そのような社会を再生産し続けるからである
就活の問題(学歴主義・新卒一括採用)が解決しなければ、学費は高騰をつづけるだろう