はじまりの色 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで

隠されたものをあらわにすること

何かを回帰させること

位置をずらすこと

失われた過去や記憶や意味を再構築すること


牧歌的理念、太初の回復

マトリクスの破れ目


「言葉はつねに欲望の真実を語り損ねる」


*


仮面を被ることは記号化への、秩序への加担以外ではない


*


天気雨だ。雨粒が光る。

太陽の煌き、沸き立つような土と緑の匂い。

僕は傘を持たず雨に打たれている。

あたたかな風、肌に心地よい雨水の感触。

すべてが笑っている。


水色の傘を差した君が通りかかる。

君の立っているところは雨が降っていない。

ただ僕の頭上ばかりがバケツを返したような土砂降りだ。

うねうねと踊る、跳ねる、転げまわる。

歌う、弾ける、砕け散る。

にやっと笑う。


君はこちらに一瞥を投げる。不思議そうに目を丸くする。


僕はすべてを理解した気がする。

君はやがて去り、忘れてしまうだろう。

対して僕はずっとここに立って息をしている。

深く息をしている。

硬く、ずしんと重い諦めの感覚が腹の底に沈んでいく。

もうみんな終ったんだ。

僕はまぶたを閉じる。

声を上げる必要はないだろう。

まったくどうしたものか。でもどうしようもない。


*


独善的な祈り、要領を得ない別れの挨拶。

許し、受け入れ、なぐさめ。


*


  そして、僕は何についてももう語ることができないし、僕には語る資格もないんじゃないかと思ったんだ。

その思いは強力で、僕には「今ここの世界」はまるでとっかかりのないのっぺりした壁のように見えた。

そして全く打ちのめされちゃって、ふらふら近所の路地を歩き回って、春の風に消えてしまおうと、これは僕は大真面目だったんだけど、そう思ったりもした。


*


どこかでやはり教えと学びということが問題であるような気がする

知識を吹き込みたいのではなくて、内発的な好奇心、知の欲望が吹き上がるのを助けたいのだ


気が向いたらな


  あらゆる反抗がなぜか根こそぎではありえないという考えにとらえられるとき、わたしはわたしがなぜこの世界に存在しなければならないかの根拠を獲得する。それがわたしに成熟を耐えさせる理由である。


つまり、終ったあとだ、ということだよ

どうだっていうんだろうか

ちっとも、惹かれない

やってられない

うんざりする

惰性という奴だ

「老いは惨めである」と書いてある

彼女は裏返してクソ喰らえと殴り書きをしている


*


セルフ・ケアをケアする

なおれば回復します

なおらなければ回復しません


自治を治癒する

生活、文化、政治