世界の可塑性と間サークル的であること | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで

『七回死んだ男』というエンタテインメント・推理小説がある。

主人公はタイムリープの能力を持っている

けれどもそれは厳密には能力というよりも体質に近い


一日が終って眠りに着く

目が覚めると同じ日がまたはじまってしまう

繰り返しを9回ほど行えるというか行われることがある


財産争いの中主人公の祖父が殺害される

祖父の死を回避するために主人公は奮闘する


同じ日が繰り返される

そのとき、同じ結末を回避するためには、違う行動をとるほかない

同じことを反復する限り、なぞる限り、同じ出口に到るからだ

今週は、先週と、同じ一週間である

もちろん、微細な進行はある、講義が進むし、日付が進む

でも、やっていることは同じだ

違う一週間にするためにはいつもの角の一つ手前で曲がる、とか、電車を一本遅らせるとか、行動をとにかく変えるほかない

同じ一週間を繰り返しても、たぶん友達は増えない


現代人には、交流モードと通行人モードとがあると思う

たとえば、電車の向かいにかわいい女の子が座っていても、たぶん彼女は友達にはならない

交流モードのときにしか、人は友達にならない

交流モードにおいて人が現れる場を、ぼくは作ろうというのである

だからこそ「間サークル的」でなければならないのだ