解答♯01 | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで

「太陽と死はじっと見つめることができない」

という言葉について、思うところを自由に500字で書きなさい。


一回目


なぜ見つめることができないのか?太陽はわかる。まぶしくて

ぼやっとゆらめいてしまうから。そう言えば僕は太陽のはっきりとした

形を見たことがない。死についても太陽から類推して考えるのが

はやそうだ。死の輪郭もまたはっきりしないのではないだろうか?


 死とは何かを説明する事は難しい。生物は死にたくない、生きたいと

常に思っているのだが死や生について何も知らない。生は死の反対物

で死は生の反対物だ。同時に僕は気づく。生の死に対する優位性を

説明する論理がない。これは他人事ではない。


 僕の友人にリストカットをする女の子がいた。彼女が自殺を考えた

として止めることが出来るだろうか?心理的、経済的原因を

取り除いていって死へのあこがれが残ったらどうするか。僕が生きたい

から生きるのと同様に彼女は死にたいから死ぬのだ。とりあえず

場当たり的な言葉で彼女を引き止める。ここに僕の正義が崩壊する。

僕は自分でも白々しいと思ったが、彼女に向かってこう言った。

「死を望むにしても生きていなければできない。君の死の願望は

生に依存するのではないか?叶わないから美しいのであって、死んで

から死ななければよかったと思うかもしれないよ。」


496文字