○物語成分
③'これは、俊一が父の死から目を背け、ハタハタに目を
向けようとして、母に叱責され父を忘れて腹の心配を
した自分を恥ずかしく思い、貧しさの中で生きることの
残酷さを噛み締める物語である。
ちょっとつたないけど、これくらいで。
人間の尊厳みたいなものがある。
死者を慰め供養するのは人間にしかできない。
だけど、「貧しさ」は人々に、悠長にそんなことをしている
余裕を与えない。人間の精神活動はある程度の生活的
余裕の上に成立するものだ。
父と祖父が死んだ今、家の最高責任者は母、ということになる。
死者への敬意というエゴと、「家」の存続というエゴに
引き裂かれて俊一の母は苦しんだ。
夫への愛と息子への愛を天秤にかけなければいけなかったのだ。
この小説は構造上、父の死がハタハタを呼んでいるように見える。
いうなれば、俊一は父を殺して豊かさを得て、母と二人で
(千代もいるけど)幸せに暮らしているのである。
そういえばオイディプスそのままのような気もする。
『俊一は、顔を赤らめた。祖父と父を失った悲しみの中で村落の
殷賑にふれようとした自分が、ひどく不謹慎なものに思えた。』
これさ、おかしくない?
な ん か エ ロ い
すっごい背徳的なオハナシな気がしてきた。
表から見れば、
父と祖父を失って、貧困のせいで仕方なく共同体の
存続の為に遺体捜索打ち切ってハタハタ漁を認めるしかない。
でも裏から見れば、
壮大なプレイだったんじゃ・・・。
昼ドラも真っ青のドロドロぶりです><
仮にそうだったとしても受験じゃ聞けないよね。
・・・。
・・・続きの問題解かなきゃならんのですよ。
一番イヤなのは僕だよ。どう書けって言うんだ!
三 Cについて、隣家の漁師の妻の「放心したような表情」は、
村人のどのような心理を表しているか、説明しなさい。
C_その顔には、放心したような表情が色濃くうかんでいた。
A.村が、互助によってそのつながりを形成している共同体である
以上、亡くなった村人の遺体の共同捜索は村を維持していく
上で不可欠である。しかし、貧しさに苦しむ村にとって、ハタハタの
大群の到来は、長く待ちわびたチャンスである。
死者を敬う気持ちはあるが、その為に生者が脅かされるのでは
元も子もないと思いながらも村の建前ゆえに感情を表に出せず
抑えている。
四 Dにおける母親の表情には、その心の内面でいかなる
変化が生じたことを意味しているか、説明しなさい。
D_母が別人のようなおだやかな表情で声をかけた。
A.父と祖父を喪った悲しみに打ちひしがれているだけだったが
放心したような村人達を見て、このまま貧しさが続けば
また父や祖父のように貧しいが故に無理をして命を落とす
者が出てきてしまうかもしれないことに気がついた。
今では、残された家族の中での責任者は自分であり、
自分が「家」としての意思決定をしなければならないという
自覚を持ち始めている。
五 Eにおいて、母はなぜ少年である主人公を自分と
同行させようとしたのか、説明しなさい。
E_「ついてこい」
母が不意に立ち上がると、合羽を身にまとった。
A.父と祖父が死んだ今では、「家」における意思決定の責任者である
「父」の役割は母が代わりに担うことになる。
将来、家の跡継ぎになる俊一に、その役割を教えるのも「父」の
仕事である。母は家長がしなければならない仕事を俊一に
見せようとしたから同行させた。
六 Fについて、「海面を見つめていた母が、再び歩き出した」ことから、
母親のどのような心理を読み取ることができるか、説明しなさい。
F_海面を見つめていた母が、再び歩き出した。
A.俊一の父はつらく貧しい生活の中で亡くなっていったのに、
それと入れ替わるようにハタハタの大群がやってきた。
「貧しい村」という共同体の内に生きることがいかに残酷か。
母は、海中にうねる「生」そのもののようなハタハタを見て、
自分が自ら、やはり死者よりも生者を優先することを
選ばなくてはならないことを思って、貧しい人生の不寛容な
薄情さを噛み締めている。
七 Gについて、漁業組合の役員たちが、「母の顔を不安そうな
眼で見つめた」のはなぜか、説明しなさい。
G_母の顔を不安そうな眼で見つめた。
A.母親が遺体収容継続の念押しに来たと考えて、
そうであれば、貧しさから抜け出すためのハタハタ漁を
中止しなければならなくなるから。
八 Hについて、母親が自分の考えを「一語一語区切るように」
述べた心情について説明しなさい。
H_母は、一語一語区切るように言った。
A.貧しさの中亡くなっていった父の遺体収容をあきらめて
自分達だけ安易にハタハタ漁によって豊かさを得ることは
許されないだろうし、到底納得できないが、そうせざるを得ない
以上、一語一語区切って話すことで、村の為、家の為だと
飲み込んでいる。
九 Iにおいて、なぜ俊一は母親の行為を理解しようと
しなかったのか、その心情について説明しなさい。
Ⅰ_俊一は、母のとった行為が正しいのかどうかは
理解できなかった。
問題文で、本文中の「できなかった」とあるのを「しなかった」
と書き換えてるのは何か狙ってるのか?
まあ、解いてみる。
A.貧しい村という共同体において、また同じような犠牲者を
出してしまうことを考えずに、父の遺体収容を優先するような
エゴは、死者への敬意を持っていることにはならない。
かといって、遺体収容をあきらめて、ハタハタによって豊かさを
得るのも人間の尊厳だとは思えない。
どちらも選べない無理な選択肢を、村に属す家の「家長」に
選ばせる「村」という共同体に違和感を感じながらも、やはりそれを
維持しようとする母の行動は理解できなかったが、「村」の内に
当たり前に生活している俊一にとって、「村」という枠組み自体を
疑うという発想は無意識の内に否定されるものだったから。
とりあえず、でけた。
千秋!いざ尋常に勝負!!