なんのこっちゃ | 陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

陽炎の帯の上へちらりと逆まに映る鴉の影―どーすかΩ

この部屋の中にいるヤツに会いたいのなら もっと、寿命をのばしてからおいで



プシュー・・・。




ドアが閉まる音で気がついたら

僕は電車に乗っていて、

つり革につかまって立っていた。



ふと、窓の外を見ると、

ベンチに僕のお弁当と体操服が置いてある。



慌てて降りようと思ったけど、すでに電車は

動き始めている。

僕は溜め息をつきながら次の駅で降りて、

取りに戻ることにする。



・・・



はて、そういえば僕はどうして電車に

乗ってたんだろう。


残念ながら、電車に乗ってつり革に掴まるよりも

前の記憶が飛んでいる。


コモディティって恐ろしい。


たぶん登校中だろうと思うけど・・・

そうだ!僕は精勤が続いてるんでした。



時間を調べようと腕を捲くるけれど、腕時計がない。


僕はもううんざりしてしまって、ドアの前に移動する。



電車がホームに滑り込んで、僕はさっさと下車する。

他に降りる人もいない。

電車も何を急いでいるのか薄情に走り去る。



降りたホームは目の前がレンガの壁である。


東京駅の古い部分みたいだな、と思ったら

この駅はなんと単線らしい。


ホームが一つしかない。


しかも、壁の右手の方が崩れていて、

紅葉した紅葉の並木道と、鹿が群れているのが見える。

美しい公園である。



なんてこった・・・!

僕は奈良まで来ちまったらしい。



しかも・・・定期と財布を忘れた。

数百円の小銭しかないよ。



僕はもう怒り狂って

小銭を投げ捨てようとしたけど、

お金を粗末にするのもよくないと思ったので

十円玉を思いっきり地面に叩きつけた。




物理法則を無視して乱反射する十円玉。



危なくてしょうがない。




レンガの壁の左側をみたら、

ドアの先に

学校の高校校舎の二階部分のエントランスが

広がっている。


ちょっと安堵しつつも、壁の時計を見たら午後2時過ぎに

なっている。


精勤が切れてしまったのがものすごく悔しいです。




ロッカーの上に座ってぼーっと、廊下を行きかう人々を

見ていたら、まるすけさんがいた。


彼は履歴書みたいなものを書いていた。

覗き込んだら、名前欄に


marusuke(あるいはすけべえ)


と書いていた。


隣にいるD君が、「なんだこいつ」と言いたそうな顔を

している。

僕は、ハンドルネームでいいんだろうか?と思った。



ふと気がつくと、僕の隣に女の子が座っていた。


あれ?共学だっけか・・・。


僕は何を思ったか、

彼女の目を見つめる。


彼女もこちらを見つめ返す。



僕も真顔。彼女も真顔。




僕は彼女に話しかける。



「あのさ、君・・・。確か部長やってたよね?」




僕が根負けして、先に照れてしまって目を逸らす。



彼女は真顔のまま答える。


「そうだよ。」




僕はなんとなく人の手助けがしたいな、と思う。



すると、ちょうど通りかかった女の子の足に黒の

長鉢巻が絡まっていて、彼女は気づかない。




で、僕が彼女を助ける。


事故は未然に防がれ、学校は今日も平和である。




めでたしめでたし。










という夢をみた。