私が学校を卒業して会社に入りたての新入社員の時に、上司から先輩を見習えと言われ、まねをして仕事をした記憶がある。
先輩や上司を見習っていれば、仕事が早く覚えられる。
そういう時代であった。
しかし、今は先輩のやり方をまねていたら、多分破綻してしまうであろう。
なぜそのようなことを思ったのか?
それは汐留にある某大手広告代理店の労災問題で、社員がマスコミからインタビューを受けた記事のなかで、いくら午後10時に消灯されて、強制的に帰っても、仕事の量は変わらないから、家に持ち帰り、仕事をすることになると書かれていた。
例えば、営業が10の仕事を受注したとする。
その10は今の従業員数と生産能力から1日の仕事量とする。
当然約束期日までに出荷するのであるが、これが20の仕事を営業が受注したら、同じ生産量力ではできないので、倍の仕事、つまり残業をして仕事量をこなすか、人を倍にしなければならなくなる。
でも経営側は人を増やすことは考えていない。
さて、どうするか?
先輩や上司を見習っていたやり方では通用しないであろう。
つまり、自分なりに工夫してやり方を変えて、倍の仕事量でも対応できるようにしなければならない。
では、誰を頼るの?
結論から言えば頼る人はいない。
この広告代理店は顧客の要求を断らずに、自分の能力+20%の負荷を与え、進めていくことが良いとされているようだ。
しかしながら、仕事の優先順位、つまりプライオリティをつけているかである。
私がもしこの広告代理店の社員であれば、プライオリティが下位20%の仕事であればお断りする。
下位20%の仕事はほとんど利益にならないし、手間のかかる仕事である。
下位20%にかける時間を当然上位20%の時間に充てる。
プライオリティ通りに仕事を行えば効率が高くなる。
しかし、プライオリティを付けなければ、先ほどのインタビューされた社員のように仕事を家に持ち込むことになるだろう。
持っている時間は皆同じである。
常に工夫と改善を行い、日本人も会社に頼ることなく、自ら時間と負荷を軽減しなければならない時代になったのであろう。
ご一読いただき、ありがとうございました。