ちっと、本編がぐちゃってる中、

サイドストーリーを挿入でっす。


--------------------------------------

一人っ子の俺にはさ、

兄弟ってのがよく判らん。


血を分けた、自分の、なったかもしれない、もう一人の自分?



ノブ先輩を小さい頃から、知ってるけど、

あの人は、横暴で、昔ッからおっかなかった。


容赦ねえ。


鬼ごっことかあんじゃん?

俺がトロくさく、鬼なんかやってると、

他の子供に知恵つけさせて、

それでも、俺が他の子にタッチしようとすると、

目の前に立ちふさがって、殴りかかって来るんだもんあ…

そうやって、反則スレスレに、俺にずっと鬼とかやらせる。

(子供に反則があればだけどさ)


今時居ないよ?

本気のガキ大将。


でも、嘘とかつかない人だった。

いあ、普通に俺は何度となく騙されたんだけど、


やるといったことは、やる人だった。


遊び仲間の犬が、居なくなった時も、

その本人が家に帰ってからも探してた。


他の子がそんな話を忘れるような中、

絶対俺が見つけてやるって、

それから1ヶ月も経った頃、

何故か傷だらけになって、激痩せしたその犬を見つけてきた。



かなわねーなー。


独りになると、いっつもノブ先輩を見て、いあ当時はノブちゃん言ってたけど、

いっつもそう想った。


それもさあ、苦々しくじゃなくさ、なんかぱっと顔が笑っちゃう感じ。


兄貴なんていねえけど、兄貴ってこんな感じなのかな?




先輩のおやじさんが倒れてから暫くして、


先輩が、飯食いに行くぞ!って連絡あってさ。

なんも言わずにお好み焼きやに連れてかれて、


「今日はお前は座ってていい。今日だけな。」


そう言われた。



なんだろうなあ、俺多分その時、色々考えたんだよ。


家に居て、飯なんて俺作った事なかったからさ?

母親が飯作ってくれるのを当たり前とは想わないけど、

いつ、自分で作る日がくるなんて想像もしなかったんだ。


なのに、先輩は、

目の前で焼きソバを手馴れた様子で焼いてくれてさ、


隠し味にビールいれると美味いんだぞ?

なんて言って、当然のように注文してたビールをぶっかけるわけ。


嘘みたいな量の蒸気が上がってさ。


先輩は笑ってたけど。


俺は、この男みたいになりたいなって想った。

この男と俺の間には、どんだけ距離が空いてんだろうって、考えた。



間違いないのは、焼きソバ焼いてるとき笑ってんのみて、

俺はノブ先輩みたいになりたいと想ったって言ったら、


ふざけてんのか?!ってまた殴られるんだろうな。



まー、女関係も豪快な先輩だけど、


ちょっと前に、何人いるのか判らない女の人と、

バイクにまたがりながら話をしてるのを見かけた。


先輩は何故か知らんけど、

女と居るときは、俺が知ってる顔は全然しないで、

冷たそうな顔してる。


でも、その日、先輩はガキ大将してた頃と同じ顔で笑ってた。



今の高校になって、ノブ先輩もより一層笑わなくなって、

てめーら陰でグチグチ言うほど、あの人の何を知ってんだよって、

本気で腹をたてるけど、


昔と同じ顔で笑う先輩をみて、

なんか寂しいような、嬉しいような、なんともいえない気持ちになったな。