ちわ~お題乞食のHydeが着ましたよ~。
さあ、みんなどんどんオラにお題をワケテクレ!
しかし、久遠もまーなんつーかー古風っつかー、
久遠らしさ全開つかー。
久遠様より『雨が心を濡らす様だ、とはどんな雨の降り方か』
んですなあ、Hydeのやってたリレー小説の最終回とかどうっすかね。
http://ameblo.jp/hydelight/entry-10121292470.html
暗転
流転
少年は、海を見ていた。
秋というよりは冬に近いと肌が教えるこの季節に、
独り海を前にしていた。
防波堤に腰を下ろし、もう長いこと身じろきもせず。
砂時計の代わりに、煙草が燃えて往き。
足元に溜まる吸殻は、きっと少年がここに捨て去りに来た想いの抜け殻なのかもしれない。
地上に出てきたセミを待っているのが夏の日差しなのは、
幸福なことかもしれないと想う。
この薄ら寒い季節に、少年が独り抜け殻から出ようともがくその姿は、
ほんの少しの母性的な同情心を、世界に撒き散らしていた。
見かねた空が、さりげなく霧みたいな雨を降らせてくれたのは、
本当に優しい事実だったなと想う。
それまで無表情だった少年の顔に、微かに笑みが灯ったから。
きっと水分を吸い込んだジーンズが、心よりも重くなれば、
少年が歩き出す理由にはなるのだろうから。
暗転
30過ぎの男が、スーツ姿でどこかのビルの屋上に、
だらしなく座り込んでる。
空を仰ぐ顔には、斜線が目にはっきり見えるほど、雨が叩きつけられていた。
垂れた前髪に隠れて、男の目は見えない。
男から排水溝までの間に引かれた、蛇のような水流が、
廻りの水よりも黒く濁って見えたのは、気のせいだろうか。
時として、雑踏の中には、様々な色が交じり合っていることがある。
死にたいと絶望し、街を歩くヒトの横で、
新たな明日にも生まれそうなお腹を擦りながら、今を歓喜の内に過ごす女性がいる。
そんな複雑なパッチワークが幾層にも織り成す都会のなかで、
そこから30m上方に登れば、独り男が黒い水を産んでいる。
ただ、水は先天的に優しさを持っているのかもしれない。
水の色が心なしか黒から透明に戻っていった気がする。
この雨が降り止むまでには、きっと水の色も透明に戻るのかもしれない。
暗転
流転