なんか


アソコ (1話らしきもの)とココ (2話らしきもの) から続いてます…


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夜の世界で、人に出会えた悦びがその日俺を随分昂ぶらせて、

長い時間を、その子と過ごさせたんだと想う。


まあでも、相手がなんで長い時間を一緒に過ごしたのか、

それが判ったら世の男女は誰も困らないか。


もっとも、別に俺はこの子に恋してるわけではないけどもね。



「そろそろ眠くなっちゃったわ、俺。

キミは帰るところってあるの?」


「そりゃあるにきまってますよ、おにいさん。」


「あれ?おじさんじゃなくなったの?」


「別れ際の気遣いってやつです。」


「心遣い感謝だな。」

苦笑いする俺。


それでも、口をついて出た台詞は俺の本音だったんだと想う、色んな意味で。


「ねえ?明日もココ着たら会える?」


こちらをじっと見て、月をみて、

その子は答えた。


「もしかして、私にまた会いたいの?」


だから、同じように、その子をみて、月をみて、

俺は答えた。


「もしかすると、そうかもしれない。」



「つまらない答えだから教えてあげない。」


そういって、その子は走り出した。


「私も探しモノがあるんだからねー。」

そう言いながら。




こうやって僕たちは、1分だけ進む夜の世界で出会った。


出会いがあって、別れがある。

非現実の時間の中でも現実があることに、少しだけ口の中が苦くなったね。



翌日寝て起きたとき、俺はもう枕もとの時計なんて、見やしなかった。

駐輪場を目指して、鍵を片手に急いでた。

急いではいたけど、昨日と違ってシャワーを浴びることを忘れはしなかった。


4丁目の交差点に着いたとき、

目より先に、耳でその子に気が付いたんだ。


だって、俺が歌ってた『星に願いを』を

今度はその子が歌ってた。

もちろん、日本語とも英語ともつかないコトバでね。


「それは何語なのよ?」


「あ、にーさん酷いね?こっそり聞いてるなんてマナー違反だよ。」


「1km先から聴こえたモンで、ごめんなさいよ。」


「そんな大声で歌ってないよっ!」


顔を真っ赤にして反論してるその子をみててね、

昨日言ってたことをあっという間に翻しそうになった。


ヒトが恋に落ちるのに、時間なんて必要ないかもなんて想いつつ、

でも、この非現実に恋できるほどに、子供でもない自分を自覚する。


「さて、お嬢さん、今日はなにして遊ぶよ?」


「おにーさんと遊ぶなんていってないよ、私。」



それでも、俺らはたいしてやることもない、

誰も居ない町を歩き回ったわ。


銀座の街にある、何故か照明の付いたショーウインドウを見るときだけ、

彼女は不思議そうな、哀しそうな目をしていたけど、


街頭に登ろうとするあの子が、危なっかしいから、

「またパンツの色を教えてくれるわけだ?」


って言ったら、ひっぱたかれたっけね。


「私ねえ、太陽が昇るとこって見たことないんだよね。」


そういうからさ、願いをかなえてやりたかったけど、

こっちの世界でどうやったら朝陽が見れるかなんて判らなかったから、


「そんなの簡単さ、一晩寝ないで窓から外を見ればいいんじゃない?」


そういったとき、哀しそうな顔のキミをみて、

あ、やばいわ、これはって想った。



朝起きて、『4:52』。

こんな数字になるまで、殆ど毎日俺はその子と夜の街で遊んでた。

喧嘩もした。

むくれて会わない日もあった。


でもさ、俺が此処にこなきゃ、この子には会えないんだったら、

行くしかないじゃない。

謝るにしたって、俺はこの子が携帯を持ってるかだって実は知らない。


不安なことを考えなかったワケじゃない。


だって、明らかにこの物語にはタイムリミットがある。


そして、終わりの時間もわからないまま、

ただ、日にちだけが過ぎていったんだ。



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まだ、続いたりする…


つか、なんで俺がこんな話を書いてるのか、

最終回に書きます…。


多分。