あれは、高校に進学した、春のこと。


初めてのホームルーム。

初日にありがちな、自己紹介。

簡単なアピールと、入部したい部活を言えってさ。


俺はだから、美術部って言ったよ。


そしたら、ホームルームの後に、

一人のクラスメートが寄ってきた。


「美術部入りたいんだってね?」


そりゃ、美術部なんて言ったのは、俺一人だったけど。



「私部長やってるんだ、よかったら放課後に部室に来て?」


うちの学校は、結構留年する人がいる。

理由はそれぞれ。

しかし1年部長ね、留年したにしてもねえ、

てことは美術部はほとんど機能してないのか。


この人もワケありなのかな。



でも、行かないわけには、いかないから部活棟に放課後向かってみた。


美術部と書かれた小汚いプレートとドア。


ノック、返事なし。


鍵は…かかってない。



薄暗い室内に、色々なものが見える。


コーラの空き缶で作られた身の丈もあるオブジェがあった。

とっても異様。



「来てくれたんだね。」


さっき会ったばかりの同級生な”先輩”の声が、後ろから聞こえた。



真っ暗になる室内。


”がちゃり”と鍵がかかる音が聞こえた。




とてつもなく恐ろしくなったよ。


背筋に冷たいものって、こういうことかよ。


右手に手が重なるのを感じた。


そのまま手首を強くつかまれて。



気がついたら、ドアを蹴破って、俺は逃げてた。


理由なんて知らないよ、本能的な行動だった。



後でクラスメートから聞いた、

その部長さん、構内でも有名な人だったんだってさ…。


逃げて正解だろ?危ない人らしい。



でもさ、

後にも先にも、後輩とか先輩って名のつくヒトに、

熱烈にアプローチ受けたのは、あの時だけだな。






ブログネタ:先輩、後輩、どっちから好かれる? 参加中







そうそう、言い忘れてたけどさ。

俺、中学高校と、


男子校だったんだ。