あいつとあったは、随分前。


気がつくと、一番ふるい俺を知ってるのは、

俺の弟みたいな、あいつになった。


血は繋がってないけどね。


多分、今まで付き合った女の子より、長い時間を過ごしてる。


仮名”にゃあ”。


俺の近所に住む、俺の父親の友達の息子。




昨日もさ、一緒に秋葉原散策。


いあ、ただそのすぐ傍の町で飯食ってて辿り着いただけなんだけどさ。


コイツはおかしい、マジでおかしい。


コイツも俺をおかしいというけど、俺よりコイツがおかしい。



めざとく、怪しい看板を見つけたにゃあが言う。


「メイドマッサージ、10分1000円。」


3歩進んで、独り言。


「1000円なら、性的ではないか…。」



お前は哲学者か?


その3歩の間に、頭を駆け巡った、妄想をここで声に出して解説しろといいたい。



エロビデオを買いに行けば、


何故そんなに詳しいんだ?と、疑問に想わずに居れないほど、

勝手知ったるよそ様の店を、我が家のようにうろついてる。


女優モノをにやにやみてる俺に、

ネズミを取った猫よろしく、


「Hydeさん、これよくねえっすか!?」


手に持ってるのは、妊婦モノ。


いあ、ごめん、その趣味は俺にない。


「綺麗な顔に、お腹でかいのがたまんねーのに。」


その心意気はわかるけど、その趣味はない。



でも、不思議なヤツだ、コイツの性癖を知る、俺の女の友達がいるけど、

かなり綺麗なその子に、コイツはあまり反応しない。


実に不思議でならない、映像やら、写真やらの女の子は大好きなくせに…。


その女の子いわく、


「私が妊婦じゃないからかな?」


なんとも…俺の周りは、不可思議である…。



常識人で、特徴のない俺からすると、とても理解できない世界である。



そんなにゃあの別れ際の一言はいっつも同じ。

春夏秋冬、いっつも同じ。


「Hydeさん、アイスくってかね?」


同じ駅に帰ってきて、最後の言葉はいつもこれ。


よほどのことが無い限り、断らない俺は、やっぱりコイツが気に入ってるのかも。


なんでもいいけど、そのアイス見つけてきて、お前に教えたのは俺なんだからな?