CASARECCIA カサレッチェ その1 | ヒデゴンのブログ

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 バーの常連4人で、シチリア島出身のシェフが一人でやっている京大の近くのリストランテ・バールに行こうということになった。

 シェフも4人が通うバーに時々飲みにやってくる言わば準常連なのだが自分はあまり面識がなくて覚えがなかった。

 約束の時間に遅れることは予め伝えてあったのだが、地下鉄からバスに乗り継いだところで到着時刻の目処が立ったので幹事に程なく着く旨をメールで送信した。

 バス停から2,3分歩いてメールの返信を確認しようとする前に目的のバールに着いた。

 上半分に硝子をはめ込んだ木のドアと胸の高さほどのところに取り付けられた木枠の硝子窓越しに中の様子が覗えた。

 店は縦長で8人ぐらいを迎えるカウンターがあって対面式の厨房になっている。奥もありそうだが外からは確認できない。

 カウンターは皆空席で厨房にもシェフの姿は見当たらなかった。

 通いのバー繋がりとは言うもののリストランテ・バールに一人で入るのはなかなか勇気が要るもんだ。心細い。
 
 店の前から少し離れて一応メールを確認してみるが返信はない。
 
 いつまでもグズグズしていても仕方がないので思い切ってドアノブに手を掛け入店した。
 
 其の時には厨房に戻っていたシェフが「イラッシャイマセ」と迎えてくれたが、我々の料理を用意している様子もなくて落ち着いてショートパスタの小分け作業中で、奥の方も客が居るような気配がない。
 
 なんだか様子が変だなと思いつつ、「杉村(仮名、今読んでいる『誰か』の主人公)の名前で4人で予約していると思うんですけれど.....、」と恐る恐る聞いてみた。こうしないことには始まらない。


CASARECCIA カサレッチェ その2 へつづく