包丁は使わなかったが、わさびや大根おろしを擂るのは主に自分の役目だった。
そのときは何も知らなかったが使っていた卸し金は、家で使っている大量生産で作られた薄っぺらいアルミやプラスチック製なんかではなかった。
銅板製でずっしりと重く艶消しのスズめっきがかかっていて手仕事で丁寧に目立てがしてある手のひらを広げたくらい大きなものだった。
その卸し金を使って出来た大根おろしやわさびは、香りが立ってほど良くシャリシャリとした舌触りが美味しかった。
それから何十年も経ってテレビで「今日の料理」を見ていたときに同じ卸し金を見た。
そして、
買った。
有次の銅製卸金「すえひろ」
サイズ:八
巾 :120mm
縦 :265mm
![$ヒデゴンのブログ-有次 すえひろ 八](https://stat.ameba.jp/user_images/20120301/22/hydegon/b0/63/j/t02200165_0640048011826198354.jpg?caw=800)
サイズ:ミニ
巾 : 70mm
縦 :120mm
![$ヒデゴンのブログ-有次 すえひろ ミニ](https://stat.ameba.jp/user_images/20120301/23/hydegon/62/09/j/t02200165_0640048011826257783.jpg?caw=800)
大きいほうは大根おろしがあっちゅう間に出来る。
ミニはテーブルで本わさびを擂るのにおしゃれだ。
使い込んで擂りが甘くなると見た手直しをしてもらえるそうだが、家使いでは多分一生ものだ。