500m美術館で「旅するアート -Travelling Art-」が始まりました。
可愛らしいタイトルとは裏腹にハードコアな作品が待ち構えています。
是非是非、ご堪能ください。
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人はなぜ移動するのでしょう。それは動かなければ生存できないからです。原始の時代より食料を確保し、配偶者を見つけ、家族や共同体を養うために、人は他者と交流しなければなりませんでした。そしてこの他者との接触は「同化」でもあり「異化」でもあります。つまり私と他者との共通点が見出されるともに、私は他の誰とも異なる私となるのです。
旅とはこの他者との交わりを通して自身へと回帰する長い行程なのです。
500m美術館の下には地下鉄が走り、また上にあるバスセンターからは札幌と道内各地を結ぶバスが発着しています。このように複数の移動・交通手段が層を成している場所を行き交う私たちもまた旅の途中にあります。ちょっと立ち止まってこれまでに巡り逢った、あるいは逢えなかった人たちのことを想像してみてください。偶然的出来事のうちに何かしらの必然性を感じることはありませんか。まったく無意味だと思っていたことが実は重大な意味を持っていた、ということがきっとあるはずです。それに気づけばこれから向かう旅の技法=アートに多少なりとも変化がもたらされるはずです。
アートと旅。いや端的に「アートは旅、旅はアート」だというのが今回の展覧会のテーマです。なぜならアートも旅も、人の行う最も根源的で、最も純粋な行為だからです。事実、ダ・ヴィンチ、モーツァルト、芭蕉など古今東西、多くの画家、音楽家、文学者が旅の中にその生涯を終えました。では現在のアーティストたちはこのテーマをどのように作品にするのでしょう。映像やパフォーマンス、ドローイングやインスタレーションなど、多様な表現の中にひそむ「偶然的必然」を発見できれば、それはまさに今回の旅の醍醐味というべきものです。途中下車して、どうぞゆっくりと楽しんでいただけたら幸いです。
北村清彦(創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会 500m美術館部会 部会長)
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■開催概要
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名 称: 500m美術館vol.8 「旅するアート -Travelling Art-」
会 期: 2013年8月3日(土)~11月8日(金)
時 間: 7:45~20:15(照明点灯時間)無休 ※最終日のみ17時まで
※この夏の節電対策として、照明点灯時間を短縮しております。
会 場: 札幌大通地下ギャラリー500m美術館
住 所: 札幌市中央区大通西1丁目~大通東2丁目
所 在: 地下鉄「大通駅」~地下鉄東西線「バスセンター前駅」地下コンコース内
主 催: 創造都市さっぽろ・国際芸術祭実行委員会
観覧無料
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■関連イベント
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「旅するアート -Travelling Art-」展の出品作家等によるアーティストトーク
日時: 2013年8月3日(土) 14:00-16:00
会場: 越山計画(札幌市中央区北2条西3丁目1番地 越山ビル202)
参加無料
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■出展作家
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イェージー・ゴリシエフスキ
遠藤一郎
小沢剛研究室
風間天心
吉川貫一
丹羽良徳
藤木正則
松本力
マシュー・コーワン