鯖江市議会臨時会の開会でした。今議会に提案した、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う、地域経済の回復や子供たちの熱中症対策など鯖江市独自の対策費、およびひとり親世帯に対する国からの支援事業について、その内容を説明させていただきました。

まず、新型コロナウイルスの感染状況等についてでありますが、県内においては、4月29日以来、2か月以上に渡り新たな感染者は発生せず、新しい生活様式の中で、市民生活も少しずつ元の姿に戻りつつあると感じておりましたが、緊急事態宣言の解除後、東京を中心に日を追うごとに感染者が増加する中、県内においても、先日12日に75日ぶりとなる感染者が確認されました。一方、先週10日から、県の新型コロナウイルス対策はステップ3に移行し、イベント開催の制限が緩和されたところであり、人の移動が活発化するにつれ、本県における第2波の発生が危惧されます。引き続き、市民の皆様には、第2波の発生に備え、新しい生活様式の実践により感染予防の徹底に努めていただきますようお願い申し上げます。

また、今月4日から8日にかけて、九州地方および岐阜、長野の両県は、記録的な大雨に見舞われ、河川の氾濫や土砂災害が発生するなど甚大な被害を受けました。被災された皆様に対しまして心からお見舞い申し上げます。現在も多くの皆様が避難所での生活を余儀なくされていますが、被災自治体では新型コロナウイルスの感染予防に配慮しながらの避難所運営に苦慮しているとのことであります。

一方、本市におきましては、感染症対策を盛り込んだ避難所マニュアルを作成し、先月22日には中河公民館で避難所運営訓練を実施いたしました。避難所が密にならないよう、体育館だけでなく会議室や教室等を活用することも想定し、1人当たりのスペースを4㎡に拡大、間隔も2mを確保するとともに、避難所に入る際の検温および健康観察、ゾーニングやパーテーションによる居住スペースの設置などを行いました。この訓練を通し、多くの課題が明らかになったほか、公民館の体育館における熱中症対策や冬期の暖房設備等が必要となることから、今回、物品購入費として1千200万円を予算計上させていただきました。引き続き、第2波、第3波に備えて、新しい生活様式に即した備蓄品の充実等を図ってまいります。

次に、貸切バス事業者への支援についてでございますが、新型コロナウイルス感染者拡大に伴う外出自粛要請により、全国の鉄道、バスの利用者が減少した結果、鯖江市内においても貸切バスの利用が激減し、事業者の経営に深刻な影響が出ております。そこで今回、市民グループや市内企業等が市内バス事業者の貸切バスを利用する際の借上料金の一部を支援する貸切バス利用促進支援補助金として1千500万円、安全・安心な運行が維持できるよう新型コロナウイルスの感染防止策を講じる際の補助金等として1千200万円を計上いたしました。これら緊急支援により、コミュニティバスの運行も担うバス事業者が経営破綻に陥らないよう、貸切バスの利用回復を図ってまいります。

また、本市のコミュニティバス8台につきましても、市民の皆様に安心して乗車いただけるよう、抗ウイルス・抗菌加工を施すための経費として100万円を計上いたしました。

次に、産業界への支援についてでありますが、市では春以降、市内事業者を対象としたアンケート調査や、市内経営者への聞き取り調査に加えて、鯖江商工会議所の全ての部会の代表や青年部、さらには、眼鏡・繊維・漆器の業界団体の幹部役員および青年部の皆様と直接お会いし、本市産業界と各社における現状と課題、今後の経済見通し、行政の支援策へのご要望等をお聞きしてまいりました。

特に、眼鏡産業においては、毎年春に開催される国内外見本市の相次ぐ中止により、産地が主軸とするOEM受注の機会を失っていること。さらには、欧州・米国でのロックダウンや、国内の緊急事態宣言が解除された後も、外出自粛などが続いていることで、世界の眼鏡小売市場は大きく停滞しており、この先しばらくは、まとまった数量の新規受注が期待できないことから、市内の多くの眼鏡メーカーは春以降、生産調整による休業を余儀なくされています。また、繊維、漆器の業界も同様に受注量が大幅に減少する中、中小企業による分業でのものづくりを中心とする本市産業は、大変厳しい状況下に置かれていると認識しております。そこで、これらの現状と産業界の皆様からの要望を踏まえ、三つの支援策を講じるため予算計上させていただきました。

一つ目として、越前漆器協同組合と協力し、ホテル・旅館、飲食店、問屋を対象に、越前漆器の購入費および修理費の一部を支援するための費用として9千万円、この支援制度および越前漆器を全国のホテル・飲食業界に向けて周知PRするための業界誌での広告費用として110万円。

二つ目として、市内事業者が市内で製造加工された製品を各種展示会に出展する際の補助金として3千万円。

三つ目に、先月11日を締め切りに県が募集しました「小売り・サービス業者による事業強化緊急支援補助金」を受けた事業者を対象に、市が追加支援する補助金において、想定していた件数の4倍にあたる200件余の制度利用があったことから、不足する1千500万円を追加計上いたしました。

さらに、本市を代表する眼鏡産業への支援策につきましては、現在、県眼鏡協会を中心に、全国の眼鏡小売店網と連携した鯖江産眼鏡の大規模な消費喚起キャンペーンを計画中であり、その実施に向けた制度設計と全国の関係機関との調整に、今月一杯は時間を要するとお聞きしております。国内唯一のめがね産地「鯖江」の再起は、本市にとって最優先課題であり、思い切った予算措置も必要と認識していることから、これらに要する予算措置につきましても速やかに対応してまいります。

次に、コロナ禍の中でも休むことなく細心の注意を払って事業を継続していただいた医療関係者や福祉関係施設の皆様に対しまして心より感謝と敬意を申し上げます。引き続き、第2波に備えていただく必要があることから、感染症拡大防止策や職場環境の改善を支援するため、市内全ての医療および福祉関係施設に対して支給する給付金として2千850万円を計上いたしました。

次に、6月1日から再開しました小・中学校の状況についてでありますが、各校とも「新しい生活様式」のもと、感染症対策と学びの保障を両立しつつ、緊張感をもって児童生徒の指導に当たっております。また、長期にわたった臨時休業の子どもたちへの影響が心配されましたが、担任や養護教員を中心に、スクールカウンセラーや新たに配置した元教員などによる心のケアに学校全体で取り組む中、休業前と同様に元気に登校していると伺っております。

一方、本年度は、授業時数の確保のため、夏季休業期間を短縮することとなります。児童生徒は、本来、夏季休業となる暑さの厳しい時期に登校することになることから、熱中症対策として、飲料水の配備に220万円、一番暑い時間帯に下校することになる小学校低学年(1~3年生)を対象にスクールバスを運行する経費として1千300万円を計上いたしました。

また、春に予定していた修学旅行や遠足等の行事につきましては、秋以降に延期しましたが、感染症対策としてバス内の密を避けるため、借上バスの増分として1千206万円余、冬季スクールバスについても同様の対策を行うために、バスの増分に対する補助金として1千287万円余を計上いたしました。

その他、新型コロナウイルスの影響により生活に多大な困難が生じている低所得のひとり親世帯に対する国の臨時特別給付金事業費として6千160万円などを計上いたしました。

これらの結果、今回の一般会計補正額は3億2千万円で、補正後の予算総額は359億6千820万円となり、昨年の6月補正後と比較して35.9パーセントの増となりました。

また、特別会計等を含めた令和2年度の予算総額は559億3千530万円となり、昨年の6月補正後と比較して20.6パーセントの増となりました。

一方、財政調整基金につきましては、今回の補正による取り崩し額2億4千570万円を含め、今年度に入り、総額18億5千390万円を取り崩すことから、今年度末の残高見込額は15億3千730万円となる見込みであります。

引き続き、新型コロナウイルス感染症対策につきましては、時機を逸することのないよう、効果的な対応を躊躇なく行ってまいります。

以上、今回提案いたしました議案について説明させていただきました。


その後の各常任委員会で付託議案の審査、各常任委員長の報告を経て採決されました。ご決議を賜り有難うございました。この後は、全庁体制のもと一日も早く事務処理が完了するよう全力で取り組んでまいります。


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