「第55回福井丹南農業協同組合通常総代会」でした。
農業就業人口の減少や高齢化、後継者不足等々、農業情勢は厳しいものがあります。
就業人口は170万人と、国全体の2%台で平均年齢は約70台弱、そのうち約半数は女性、生産額は国内生産額の1%弱、こうしたことから、食料自給率はカロリーベースで40%ぎりぎり、6割は輸入に頼る異常事態です。
何とかして農業を救わないと、農業が日本から消滅してしまうという議論をよく耳にしますが、そうじゃなく、農業が日本を救うんだという発想の転換が必要なのではないでしょうか。
災害列島化した日本、今地球は悲鳴をあげています。
地球の悲鳴を和らげられるのは、農業と農村文化の再生しか、解決策はありません
日本は瑞穂の国、農業は国の基であります。
農業を産業として捉えることには無理があります。
農業の多面的効果としての、国土保全、水源涵養、自然環境の保全、景観の形成、文化の伝承、食料安全保障など、今一度検証すべきであります。
そして何よりも農業は日本の原風景で、農村地域社会(コミュニティ)の拠り所、農村の伝統文化は心のふるさとであります。農村地域社会の崩壊は日本文化の崩壊とも言われています。
今後、鯖江市の農業が魅力ある、やりがいのある、たくましい生業として、一人でも多くのお仲間を増やすため、農業に興味を持たれた方や熱意ある方が一人でも多く就農できるような環境整備に努め、将来の鯖江の農業を担う後継者の育成や発掘につなげることが重要です。
こうしたことからも、ロボットやドローンなどIOTやAIの先端技術を活用して効率化、省力化された「スマート農業」を推進する農林水産省の実証プロジェクトに、JAたんなんと鯖江市が特産化を目指している「鯖江菜花米」や大麦、大豆、露地野菜生産に取り組んでいる、鯖江市の農事組合法人エコファーム舟枝のプロジェクトが、3月20日に採択されたことは嬉しい限りです。
このことは今農業が直面している農業者の高齢化、後継者不足、女性就業者の過重労働、農村コミュニティの脆弱化による農村文化の維持継承の解決策としても大きな期待をしており,農村版コミュニティ・ビジネスの成功につながればと思います。
持続可能な農業を推進していくことが、何としても必要となってきています。
丹南地域においては、土地柄からも水稲中心の作付けになってしまいますが、農家やJAたんなんの皆様の努力により、麦や大豆などの生産が定着しつつあります。
水稲以外の需要のある作物を生産していくことは、農業者の経営安定やリスク分散の観点からも有効であり、持続可能な農業へとつながりますので、今まで同様に取り組みをお願いいたします。
今後とも、皆様が安心して農業を続けていけるよう、農業の持つ多面的機能や美しい本市の田園風景を守っていくためにも、今後、1JA(ワン・ジェイ・エイ)化により、「福井県農業協同組合」となられましても、現在まで積み上げてきた、市とJAとの農家への支援体制をさらに強化充実していただき、JAと行政が車の両輪となり一層連携を深め、力いっぱい鯖江の農業発展に努めて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます。
福井丹南農業協同組合の更なるご発展と皆様のご健勝とご多幸を心より祈念申し上げます。