学生に贈る社会人100人の言葉 -3ページ目

【総合商社編】学生に贈る社会人100人の言葉  NO.21

真面目で人見知り、臆病、優柔不断、だけどおもしろいし、誰も味わったことの無い人生を。


大学生のみなさんにアドバイス出来ることは何もありませんが、僕がどういう風に生きてきたかを正直に書きますので、反面教師として見てもらってもいいですし、部分的に採用してもらってもいいので、何か感じてもらえればと思います。

高校
漠然と、「人の役に立つこと」がしたいと思っていました。
たぶん、中学時代、陸上部顧問だった人生最恐の先生に、洗脳されたんだと思います。
だんご三兄弟などを手がけた佐藤雅彦氏と、当時大蔵省の竹中平蔵氏による「経済ってそういうことだったのか会議」を何気なく読み、実際の社会と直結している「経済」に興味。たぶん「お金」をテーマにしていることで身近に感じたのでしょう。

大学
経済学の中でも更に身近なマーケティングを専攻しました。経営、会計、財務、心理学等々が混合した学問に、ますますのめり込みました、が。

バイト
塾講師を経験。生徒の人生に大きな影響を与える教師というものに興味。
進路選択で重要な高校教師になりたい。しかもいろいろな人が集まりやすいであろう公立高校教師。
更には物事の本質を見抜く「数学」に興味。数学教師になりたい。
これで「人の役に立つこと」が出来る!
教育学と数学と経済学を学びました。というか単位を取りました。
週25コマ(×1.5時間)が限度で、30コマ分の単位を取得。
現場を知らないと、と高校での教師インターンを経験後、自分の描く教師像には一生辿り着けないと気付きました。挫折。
一転、やはり「経済」への興味を捨てられない。
ビジネスは戦場、本気で闘う人々、それを通した社会貢献。
企業という立場から「人の役に立つこと」も出来るのかなあ。
気付けば3回生の10月。夏のインターンは終わっていました。

就職活動
周りと比較し遅れていると感じ、50社へのエントリーシート、約100回の面接・グループディスカッションに参加。広告、テレビ局、外銀、製薬、メーカー、エンターテイメント、、、、
流行っていた自己分析もしました。
就職活動は学生として社会はなんなのか、大人の考えてることは何かを知る良い機会だと思います。

1、でも何をしたいかわからない、ということで仕事の幅は広い方が良い。
2、周りがあまり取り組んでいないことがしたい、ということで海外が良い。
3、人の役に立つこと、困っている人の役に立つこと、ということで規模は大きい方が良い。
という単純な思考のもと、商社勤務の大学OBに「OB訪問」なるものをしました。
、、、3カ国語を操る、まさに理想のビジネスマン。

面接では正直に色々話したところ、能力ではなく「誠実さ」を評価され、OBの働く総合商社から無事内定をもらいました。教育系の単位を取るため、卒業に必要な経済学の単位は取り終えていたので、4回生は英語力獲得の為、カナダ留学に使いました。

カナダ留学
カナダ人、アメリカ人、南米・アジア諸国からの留学生。英語力獲得とともに視野が広がりました。

会社
世界をまたにかけて活躍する商社マンの姿とは違った、パックオフィスのバックオフィスなるところにて勤務。世間の作法や大きな会社を支える地道な裏の仕事を経験させてもらいました。

第3言語取得の為、希望していた語学研修生に選ばれました。想像もしていなかったトルコ。
欧州・アジアの文化交差点。08年には一人当たりGDPも10000ドルを超え、先進国の仲間入りを果たそうとしているトルコ。平均年齢29歳と若い人口、ハブ国(15億人・22兆ドル規模の経済へのアクセス)、旧シルクロード・現エネルギー回廊、等々未来は明るい。

トルコ語研修
トルコはとても刺激的でした。語学学校を首席で卒業したり、スピーチコンテストで優勝したり、トルコの東工大(?)大学院に編入し1年で退学したり、半年間毎週テレビに出たり、劇に出演したり、、、。
カナダ留学の北南米・アジア諸国の人々に次ぎ、今回はトルコ人は勿論、欧州、中東、アフリカの人々の考えに触れることが出来ました。一度社会人として働いていたこともあり、人生・仕事に対する価値観について日本のそれと比較することはとても有意義でした。トータルで見て悔いのない人生を送るために、自分や家族にかける時間を多く持つこと、そのバランスを考えることは重要だと、彼ら彼女らの生き方を見て切に思いました。


これから
上述の通り、僕は真面目で臆病なので、常に目前の締め切りなどのことで頭がいっぱいになります。しかしながら、なんとか「人の役に立つこと」への問いかけはまだまだ続けています。現在は「全ての人に平等なチャンスを与える」という分野で「人の役に立つ」ために何か出来ないかを考えています。

今般金融関係のグループ(リース系)に配属となりました。僕にとっては全く新しい分野なので、まずは今の仕事で一人前になることを目標にします。この分野で「全ての人に平等なチャンスを与える」ために何が出来るのか、常に問いかけながら。

振り返ってみると行き当たりばったりですが、常に本気だったことは確かです。
取り組んだこと全てが人生の糧になるとは言い難いです。でも「本気でやった」という事実は確実に残ります。その時の取り組む心意気、取り組み方などは後に活きてきます。

これからも、真面目で人見知り、臆病、優柔不断、だけどおもしろいし、誰も味わったことの無い人生を。


自己紹介(本文参照)
経済学部卒、総合商社入社、2年のトルコ語語学研修を経て、トルコ支店にて金融関係の仕事に従事。
takahashi_gaku@hotmail.com