そして「アントニオーが海で損失を出したようだが、まさか本当にアントニオーの肉をよこせとは言わないよね、そんな物取ったところで何の役にも立たないし」とサラリーノーはシャイロックに尋ねます。

 するとシャイロックは「役に立つさ、魚の餌にはなる。他の餌にはならなくとも、儂の復讐の糧にはなる」と言い、これまでのアントニオーから受けた酷い仕打ちについて語り始めます。

 

第三幕第一場

He hath disgraced me, and

奴は儂を愚弄し、

hindered me half a million; laughed at my losses,

50万は邪魔をし、儂の損失を嗤い、

mocked at my gains, scorned my nation, thwarted my

儂の利益を嘲笑い、儂の民族を軽蔑し、儂の取引を

bargains, cooled my friends, heated mine

阻止し、儂の友には冷や水をぶっ掛け、儂の

enemies; and what's his reason? I am a Jew. Hath

敵を焚きつける。その理由は何だ。儂がユダヤ人だからだ。

not a Jew eyes? hath not a Jew hands, organs,

ユダヤ人には目がないのか。ユダヤ人には手がないのか、

dimensions, senses, affections, passions? fed with

内臓が、体躯が、五感が、感情が、情熱がないのか。

the same food, hurt with the same weapons, subject

同じ食べ物を摂ってないのか、同じ武器で傷つかないのか、

to the same diseases, healed by the same means,

同じ病気に罹らないのか、同じ方法で癒されないのか、

warmed and cooled by the same winter and summer, as

同じ冬や夏で冷やされ暖められないのか、クリスチャン

a Christian is? If you prick us, do we not bleed?

のように。もしあんたらが儂らを刺しても、儂らは血を流さないのか。

if you tickle us, do we not laugh? if you poison

くすぐられても、笑わないのか。毒を飲まされても、

us, do we not die? and if you wrong us, shall we not

死なないのか。不当に扱われても、復讐しないのか。

revenge? If we are like you in the rest, we will

他のことがあんたらと同じなら、そのことでも儂らは

resemble you in that. If a Jew wrong a Christian,

あんたらに似ているはずだ。もしユダヤ人がクリスチャンを

what is his humility? Revenge. If a Christian

不当に扱えば、卑下するかい、復讐だろ。もしクリスチャンが

wrong a Jew, what should his sufferance be by

ユダヤ人を不当に扱えば、クリスチャンの手本に倣って

Christian example? Why, revenge. The villany you

ユダヤ人の寛容はどうあるべきかな。復讐じゃないのか。

teach me, I will execute, and it shall go hard but I

あんたらが教えてくれる悪行を儂は行うし、その上

will better the instruction.

ご教示以上に儂は峻烈にそれを行うまでよ。

 

 シャイロックの心の叫びです。シャイロックは嫌われ者で憎むべきユダヤ人という設定で、当時の人々はそれに何の疑問も抱かなかったようなのですが、この台詞を読む限り彼に同情したくなりませんか。

 

 

  疑問を抱かない風潮って怖いですね。目の粗いマスク地に極小のウイルスを止めることなんて出来ないのに、誰もが外出する際はマスクをしていて、していないとバッシングを受けるし。医者が診断を下していなくてもPCR検査で陽性になると、感染者とされる出鱈目をマスメディアだけでなく、政治家や専門家と呼ばれる人たちまで平気で垂れ流しているし。科学的根拠が示されずに、「お酒は大声を誘発し、感染を拡大する」と誰かの思いつきで決められているし。

  特にワクチンの危険性を、それを作ったファイザー製薬やモデルナ社が発表しているのに、40万人死ぬかもしれないと国民を脅した功績で京都大学に招かれた大先生がそれについては一言も言及しないことに。若者の将来を台無しにするかもしれないのにワクチン接種を勧める厚生労働省の方針に異を唱えない政治屋を先生と呼び、有難い存在と認識していることに。更には国民がモルモット扱いされていて、中には重篤な後遺症を負う者や、最悪死んでしまう者が出るのを知っている筈なのに、口では「国民の命を守るのが私の責務」とのたまうお方を戴いていることに。私には分からないことばかりです。

  もしかするとこの国はいつの間にか一党独裁国家になっていて、思ったことを口にする者は、自粛警察に粛清される運命なのかも。