だグロスター伯は正気を失くしてしまったリアが気の毒で泣き出します。するとリアが言います。

 

第四幕第六場

If thou wilt weep my fortunes, take my eyes.

わしの運命を泣いてくれるなら、わしの目をやろう。
I know thee well enough; thy name is Gloucester.

お前のことは十分よく知っている、お前の名はグロスターだ。

 

 嫌われるよりも辛いことは無視され、存在を否定されることです。だからでしょうか、ヤンキーのお兄ちゃんお姉ちゃんは、相手が「シカトした」という理由で喧嘩を始めますね。

 ペテロに三度も「知らない。」と言われることを知っていたイエスキリストは、さぞかし辛かったことでしょう。反対に「お前のことは十分よく知っている、お前の名はグロスターだ。」と王に言われたグロスター伯の喜びは如何ほどでしょう。