5月議会初日に議決された児童会館条例の一部改正について、日本共産党市議団の賛成意見の概略を紹介します。

なお、この議案は2月議会に提案されていましたが、高城児童会館の地元関係者から要望が出ており、十分な納得が得られていない状況だったため、継続審査することを決定し、5月に入り健康福祉常任委員会で閉会中審査、承認されています。

市民と歩む議員の会は反対し、日本共産党とほかの会派は賛成しました。

 

今回の条例改正は、

2025年4月からすべての児童センターで中学生までの受け入れを実施する

北千里児童センターについては、現在の指定管理期間は小学生まで、次の指定管理期間から中学生まで拡大

高城児童会館は日の出市営住宅の跡地に移転建替えし、日の出町児童センターに変更する

移転後は休館日を1日設けるが、18歳までの受け入れを行い夜8時まで開館するという機能強化の内容です。

 

児童会館・児童センターは、児童福祉法第40条に「児童厚生施設は、児童遊園、児童館等児童に健全な遊びを与えてその健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする」と定められています。

吹田市は1980年代から、社会保険事務所や公立幼稚園の跡地も含め、就労支援は保育園・学童保育、乳幼児や保護者の子育て支援や就学後のこどもの居場所として、児童会館や児童センターが整備されていきました。大阪府下でもめずらしく、市内に12カ所整備され、吹田が「子育てするなら吹田」といわれた象徴の一つです。地域住民が参加する運営委員会が設置され、地域と一緒に作ってきている事業です。

 

条例改正に関し、こどもの居場所に関する指針やこども・若者性被害防止のための緊急対策の観点から要望します。

 

<全館共通することについて>

①こどもが利用しやすい居場所づくりと、支援の必要な場合は関係機関につなぐ役割が示されています。

児童センターの年齢拡充にあたり、吹田5中の生徒へのアンケートが行われました。

「悩みごとの相談にのってくれる」8.9%、「いっしょに遊んでくれる大人がいる」6.5%という結果でした。

この数字から見ても、日の出町の児童センターだけでなく、全館で同様のソーシャルワークが求められているのは明らかです。ふさわしい職員体制、専門職の配置をどのセンターでも市の責任で行ってください。

 

②こども・若者性被害防止のための緊急対策も示す通り、こどもの性被害、こども同士の性暴力に対する対応も求められます。こどもの発達段階に応じて、啓発や学びの場、住民説明会でも意見としてだされていた死角をつくらない動線と体制を整備してください。

 

③災害時の対応について。被災したこどもに対し避難場所とともに、こどもたちが通いなれた場で心のケアが求められます。

その役割を果たすことができる人員体制や研修などについて実施してください。

 

<日の出町児童センターについて>

今回の条例改正にあたり、日の出町児童センターについて、繰り返し地元からの要望が出されました。高城児童会館を移転するにあたり、日の出市営跡地の使い方について、連合自治会で話し合われ、要望が繰り返し出されてきた経過があります。急な提案に、受け止めきれないことが残されているためいくつか要望します。


①市の責任の果たし方について

児童センターの指定管理者制度については、千里山竹園児童センター設置時導入されましたが、この時は地域運営団体に限定されました。その後、北千里児童センターが設置されるときに「法人一般」に対象を拡大緩和する条例改正が行われました。

(この時は日本共産党だけが反対)


今回の1番の問題点は、機能強化を行うために安易に指定管理を導入する市の姿勢です。住民が危惧しているのは、この市の姿勢です。新しく機能強化する際に、どうすれば直営で運営できるのか、現場の職員とともに充分な検討がされていません。なんでも安易に民間にという市の姿勢をあらためるよう求めます。

来年の運営スタート前後には、保育園や学童保育のように一定期間引継ぎを行い、こどもたちも知っている厚生員さんがいる状態で市の責任で運営がスタートできるようにしてください。

 

②運営委員会について

これまでと同様に地域住民も入る運営委員会を設置してください。

勤労者会館のように運営審議会が利用者懇談会になったようなことをせず、これまで通り地域からも参加し、行事をはじめ地域とともに運営していくスタイルを守ってください。

 

③防音と防災対策について

夜間開館実施により近隣住民の生活リズムが乱されることがないよう、広場の利用は午後6時までとするなど検討を求めます。日の出町児童センターができる地域は、高齢化もすすみ、1人暮らしの高齢者の割合も高いです。指定避難所にならずとも、住民が希望すれば避難所として開設されること、広場にはかまどベンチなどが設置されるため、地域と連携した防災訓練を実施するなど、公共施設としての役割が最大限に発揮されるようにしてください。

 

④開館日について

移転後は。週に1日休館日を設けるとしていますが、午後8時まで開ける日数を減らしてでも毎日開館をすることがこどもの安心につながります。現在も支援やフォローの必要なこどもがおり、児童会館が「居場所」として利用されている現実があります。以前は休館日があったけれど、居場所を保障するためとして毎日開館にしてきた経過があるはずです。再度検討されるよう求めます。

 

最後に、委員会で「拙速に進めず、意見に耳を傾けてほしい、納得できる説明をしてほしい、市の責任での運営をしてほしい」という地元住民の要望に対し、副市長が「十分に認識している。そういうことも含め、地域の方々に受け入れていただけるような、対応に心がけるように職員と取り組んでいきたい」と答弁されました。不安をお持ちのみなさんは、その言葉を信じています。期待を裏切ることがないように求め、賛成します。

 

★なお、日の出町児童センターの指定管理導入については、2024年度当初予算で千里山竹園児童センターとあわせて指定管理者の選定に関する予算が計上されており、予算に反対する理由の一つとして意見で述べています。

 


少し遅くなりましたが、誕生日のケーキをいただきました!抜歯後の経過も順調です。