生き物として、大事なこと① | ヒャクゴウ、地球を駆け抜ける

ヒャクゴウ、地球を駆け抜ける

思いっきりやりたいことを、真剣勝負でやります。そんなヒャクゴウの日々の記録とたわごと

数年前、教えていたクラスのカナダ在住の韓国人の女の子が、私にこう言った

「日本人は、サビシイですね」

もちろん、初級クラスだから極端な語彙になってしまうのだが
彼女が言いたいのは

「日本人は挨拶したり、スキンシップを取ったりしない。知らない人同士が話をすることがない」

彼女が住むカナダもルーツである韓国も
どちらかというと知らない者同士がおしゃべりしたり、ハグしたり手をつないだり、とスキンシップを取ることが多い

日本語教育を勉強された方なら、社会学を学ばれたと思うが
あの対人距離の短さの話、ご記憶にあるだろうか?

これは2人の人間が一緒にいるとき、話しているときの距離をはかった調査で
欧米圏はあいさつでハグしたり、キスしたりするため
当然距離は短い

反対に、日本人は断然距離が長い

とはいってもそれで日本人が全くコミュニケーションなり、スキンシップを取らない民族であったかというと、そういうわけではない

ただ、現代はずいぶん「日本人の言葉や体のコミュニケーション」が無くなりつつあるというのは否めない

一年くらい前に『タッチハンガー』という本を読んだ

タッチハンガー がんばり続けてなお、満たされないあなたへ/三砂 ちづる

¥1,575
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ものすごい本だと思った

感動的な物語でもないし
スピリチュアルブックでもない

あくまで女性の保健を考える疫学の専門家によるエッセイなのだけれど
感動のあまり号泣してしまった

どこがどう感動したというのは説明できないのだけれど
今まで誰も言わなかった女性性について、女性の身体性について語っていたことに
私は大きな衝撃を受けたのだと思う


本を読んでいて、ふと思い出したのが冒頭の学生の言葉だった


こんなエピソードがある

高校時代、テストがあって
斜め後ろに座っていた女の子が、テストの度に非常に緊張し、ストレスを感じてしまう子だったのだけれど
その彼女がテスト開始前に
「ヒャクゴウ~~~~」と言って手を伸ばしてきた

私はその手をしっかり握り、言った「大丈夫だよ」

テストの後、彼女は
「あの時手を握ってもらえたから、落ち着いたんだ」と笑顔を見せてくれた

ああ、そういうことなのだ、と思う

あの時もし私がただ言葉だけで「大丈夫だよ」といっても、
彼女の心は波立ったままだっただろう

体と向き合う
体を使う

どれも大事なこと

忘れてはならないね

・・・同じ著者の本を新たに読んで、また別の学びがあったので
それはまた、次回にでも

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