あの人に聞きたい 第3段【日本語教師編2】 | ヒャクゴウ、地球を駆け抜ける

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思いっきりやりたいことを、真剣勝負でやります。そんなヒャクゴウの日々の記録とたわごと

今月もベテラン日本語の先生へのインタビュー記事 カラオケをお送りすることができました^^
ほっと一息お茶

今回は、いつもにこやかで、やさしい話し方で学生に人気のdragonfly先生にお話を伺うことができました。
dragonfly先生のブログはこちら→
毎年テーマを定めてアメリカをドライブ旅行されているお姿から、自由な風を感じているヒャクゴウです。



インタビューは八月の某日、夏の暑さが和らいだ昼下がり、都内某所のカフェコーヒーで行われました。


(インタビュー)

Q1 日本語教師になるきっかけは何だったのでしょうか?
学生時代の後輩がアルバイトとして日本語を教えていると聞いて、興味を持ちました。

Q2 日本語教師歴は?
資格自体は93年に取得しましたが、家族の都合などもあり、実際に教え始めたのは、 2000年です。
まずアメリカで2年間のインターンシップを体験し、そのあと帰国してからずっと日本語学校で教えています。


Q3 具体的に教えていただけますか?
アメリカではミネソタ州の州立高校で教えてました。
そのあとは日本で、多国籍の学生が集まる学校や、主にアジアからの就学生が集まる日本語学校で教えています。(非常勤で掛け持ちしてます)


Q4 これまで教えてこられた中で、印象的だった学生は?
アメリカでは、ベトナムのボートピープルと呼ばれる人たちやアジア系2世の方がた との出会いがありました。たとえばボートピープルとしてベトナムから逃れ、大阪で生まれてアメリカへたどりついた、といういきさつを聞いて、アメリカで、アジアの歴史を体感しました。

Q5ほぼ毎年アメリカへいらっしゃってますよね。アメリカにひかれる理由は?
高校の時の短期留学から数えると、10数回行ったことになるでしょうか。大学、大学院でアメリカ現代文学(ケルアック、サリンジャー、アップダイクなど)を専攻しました。文学という入口から入って、音楽や歴史へと関心が広がったんですね。

Q6 これまでどんなテーマでアメリカを旅されましたか?
06年は スタインベックとルート66
07年は ヘミングウェイ
08年は M.L.キング牧師と公民権運動
09年は フィッツジェラルドと女流画家G.オキーフ


Q7日本語教師という仕事のいいところは何でしょう?
毎日が異文化交流!
わたしは学生を単なる学生とは見ていなくて、いろいろなことが話せる、たとえば本とか、そういう対等な相手として見てます。


Q8 反対に悪しきところは?
とくにないですね。
待遇?もう諦めてます(笑)


Q9 得意な分野は?
長くやってる初級会話。それから、最近は読解もいろいろ工夫してやっています。

Q10 授業での先生の工夫は?
その日の話題を相手から引き出してコミュニケーションをとり、そこから文型導入に つなげていくことです。

Q11 必携七つ道具は?
iPhone(電子辞書)、メモパッド、コーヒー、柔軟性、寛大さ、知的好奇心、笑顔

Q12ためになった本は?
日本語教育界の本も読むことは読むんですが、それより作家の日本語論のほうが頭に
残ってるんですよね。井上ひさしの日本語論とか。


Q13 スキルアップのためにされていることは?
日本語学校の有志の先生方が始めた勉強会に参加しています。そこで、文型導入や中級以降の教え方について議論したりしてます。

Q14 普段心がけていらっしゃることは?
教えることと学ぶことは、インタラクティブ(interactive)なことです。
ですから、「よくない学生」とレッテルを貼られた学生がいたとしても、先入観を持たず、まず自分で接して理解したいと思っています。他からのネガティブな情報は、できるだけ無視します。
信頼感を持てれば、学生は安心して勉強するようになりますよね。


Q15 今後の展望は?
自分が楽しいと思って教えている時って、相手(学生)も楽しんで学んでくれていると思います。だから自分が楽しいと思える間は続けていきたいです。

Q16 日本語教師を目指している方々へのメッセージをお願いします。
検定試験のためにもいろいろな科目を勉強していると思いますが、各科目をしっかり勉強しておかれることですね。音声などやりにくい分野もありますが、今ここで逃げずにしっかり自分のものにしておけば、授業をするようになってからの自信にもつながります。
検定試験のための勉強?わたしは試験前2カ月、がっと集中して勉強しました。


それから、もうひとつ。

Enjoy!

(以上)

今回のインタビューですが、もちろんすべてのご回答が一つ一つdragonfly先生らしく、且つ魅力的なものでしたが、私は特にQ14の学生に対する心構えに関するお答えに、膝を打ちました。
そうです。

私たち教員はたやすく「あの学生はやる気がない」「どうしようもない」などど言ってしまうことがあるかと思います。
もちろん、そこまで言うには日ごろの学生の積み重ねもありますが、ここは冷静に原因を考えてみるべきですね。
学生自身の問題、環境の問題も大きいとは思いますが、どこかに教員である「私自身」にも問題があるときもあります。
そんな時は感情的にならず、前向きに問題解決のための努力をしたいですね。

そういう意味でも授業というのはinteractiveなものだといえるのでしょう。


改めて考えさせられたヒャクゴウでした。

dragonfly先生に、改めて感謝ですm(_ _ )m

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