二ノ国 白き聖灰の女王 をプレイした | KMのゲームブログ

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数ヶ月前のPSプラスのフリープレイで配信されていたPS3向けソフトの「二ノ国 白き聖灰の女王」をクリアしました。

2010年にニンテンドーDSで発売された「二ノ国 漆黒の魔導士」に諸々追加・変更した完全版といった感じの作品になっているそうです。

ストーリーの追加だけでなく、戦闘システムやグラフィックなどがPS3向けに作り直されているとのこと。

今回ダウンロードしたのはオールインワン・エディションだったので、過去に配信された無料DLCが収録済み。

オールワン・エディションおよびアップデートで選択できるようになったという難易度イージーですが、クリア後の隠しボスと戦ってみたところ被ダメージが1割減少するぐらいの違いでした。

攻撃パターンが変わっているようにも思えませんでしたし、本当に簡単になっているのかは謎。

 

 

ストーリーのクリア時間までは45時間弱。

世界のヌシ撃破までは65時間ほど。

現在はプレイ時間72時間でトロフィー取得率67%という状況。

ボス討伐や宝探し、所持金、カジノ系のゴリ押しでも取れるトロフィーは獲得しましたが、合成やイマージェン図鑑埋め、イマージェン育成の作業が果てしなかったのでプレイはここで終了。

素材の必要数に対してドロップ率などの数値設定がしょっぱいので、攻略サイトをフル活用しても時間がかかります。

おそらくプラチナトロフィー獲得までやる場合、数十時間は稼ぎ作業をし続けることになることになると思います。

 

 

世界のヌシ撃破時のパーティは、

オリバーのイマージェンが ツノダー、カブール、ジェムリアンの3体。

マルのイマージェンが ペンサーレ、ステルラ、シャンの3体。

ジャイロのイマージェンが ジェムリオン、スチームン、アルデスの3体。

 

 

概ね一段階目からレベル限界まで育てたものを進化させているので、野生の三段階目イマージェンよりも多少はステータスが高くなっているはず。

オリバーがツノダー、カブールの「野生のおたけび」での攻撃担当。ボス戦用に「体当たり」系の技もセットしています。

ツノダーたちのようにハンマー+鎧装備のイマージェンは序中盤は器用さが下がる装備ばかりなので使いにくいように思いますが、メテオブレイカーなどの最終装備あたりまでいけば器用さ(≒命中率)を維持したまま圧倒的な火力で戦ってくれるようになります。

ジェムリアン(ジェムリオン)はチケット交換のジェムを進化させたイマージェン。

レベルが上がりにくいですが全てのステータスが高いので使いやすかったです。盾役ペットでもないのに殆どの物理ダメージを一桁~二桁前半に抑えてくれるのは頼もしい限り。

 

マルは回復担当ですが、レベル99になってもHPが300台前半しかないのでボス戦では基本的にお荷物でした。実質防御担当。

ペンサーレ、ステルラやシャンは全体回復の技を習得しますが、消費MPが多くて発動前後の隙も大きいということで使い勝手はあまり良くなかったです。最終的にボス戦での回復はオリバーに回復アイテムを使わせることで決着。

 

ジャイロは盾役。彼に配置しているイマージェンはステータス自体は盾役として非常に優秀ですが、AIが酷いのであまりあてにならない存在でした。

手動で「挑発」させてからオリバーに交替させる形で騙しだまし運用できるかどうかという感じ。

結局のところ、ボス戦ではマルと一緒に終始防御させておいてオリバー単独で対処するのが一番安定するという残念な結論に落ち着きました。

 

ストーリーの終盤でラースも仲間になりますが育てたパーティー構成を変えたくなかったので一度も使いませんでした。

今作は3人しか戦闘に参加できず、控えメンバーには全く経験値が入らない仕様になっているので役割が被っているマルと交代するかどうかという感じになると思います。

ラースの方がマルよりは打たれ強いですが、今作はAIが残念なので誰と交代してもそれほど大きな違いはないはず。

 

 

以下、感想というかレビュー的なもの。ネタバレを含みます。

 

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○ストーリー

起承転結がはっきりしているので分かりやすいお話になっていますが、展開自体はわりと先が読めるような感じ。

低年齢のプレイヤーに配慮したのかもしれませんが、登場する悪役は殆どが(全員?)もともと善人だったというスタンスで描写されているため、敵ボスキャラ(魔導士&女王)の悪役具合がいまひとつで魅力に欠ける感じ。

作中でやらかした&やらかしている事の影響と重大さを踏まえると、撃破前後のイベントシーンにはいまいち同情も共感もできませんでした。

 

 

○世界観、グラフィック、アニメーション(ムービー)、キャラクター設定、BGMなど

スタジオ・ジブリが製作協力しているだけあって、アニメーションや音楽、街の風景などはかなりジブリっぽい雰囲気になっています。

どことなく「魔女の宅急便」や「天空の城ラピュタ」を思わせる設定もちらほら。

 

 

 

○戦闘関連

今作を評価する上で最大の障害になり得る箇所。

ボス戦と雑魚戦で大きく毛色が違うので、分けて評価しておきます。

 

・雑魚戦

基本的には簡単と見せかけて、味方AIがポンコツなので結果として丁度良い難易度になるといった塩梅。

攻撃対象に「最も近い敵」を設定できない点と、攻撃対象との間に障害物がいたときに避けない仕様(≒他の敵や味方に引っかかっても移動し続ける)が重なった結果、無駄に時間がかかって被ダメージが増えるという現象を引き起こしています。

クリア後のやり込み要素をやる段階になると、逃げ回る敵をオリバーが追い回してエンカウントに持ち込むという風景が日常になること(一応対策はあるものの単純に面倒)や、スキップできない技演出シーンあたりのテンポの悪さも懸念材料になってきます。

 

・ボス戦

ポンコツAIとの兼ね合いで一部のボス戦は難易度が不当に高くなっている印象。

敵の火力やHPの高さに対して、蘇生を含む回復手段が量・質ともに貧弱なのが原因の一つ。

敵の大技は発動準備中に通常攻撃連打で潰すか、防御で凌ぐ前提のバランスになっているのも影響していると思われます。

操作キャラと他2人の防御コマンドが別操作になっているのも厄介で、その影響で終盤の敵の大技は準備モーションを見てからでは防御が間に合わないものが多いです。

技の消費MPの多さもあって敵の大技を喰らうと回復一辺倒になってジリ貧になっていくため、操作キャラ以外の2人にはチャンス時以外は防御させ続け、操作キャラだけで攻撃も回復も全部こなすのが一番安定するという現象を招いています。

最終的にはレベルを上げて物理で殴りつつ(HP吸収武器を装備しておくとベター)、回復アイテムを大量に買い込んでのゴリ押し安定だったりします。

 

 

○イマージェン育成&収集

ダメージや回復の仕様や味方のAIの兼ね合いで実用に耐えられないイマージェンが多く、実質コレクション要素となっています。

シンボルエンカウントなので一部のレア敵を除いて狙った敵と戦うこと自体は難しくありませんが、レベル差ができると敵が逃げ回る仕様が厄介(一応△ボタンでメニューを開くと敵の逃走がリセットされる仕様を利用して接近したり、「隠れ身の霧」を使えば交戦できます)。

素材集めなどで同じ敵と何十回も戦わないといけないことを思うと、どうしてこんな仕様にしたのか理解に苦しみます。

育成ではイマージェンの好物になっているおやつを大量にやることになるのですが、妙に演出が長ったらしいのでかなり面倒。

効果の高いおやつは合成や敵からのドロップに期待できるほど大量入手はできないですし、店で購入できる安いおやつでは次第に効果が出なくなるので、もしかするとイマージェンの育成トロフィー(ステータス増強+50)が一番時間がかかるのかも。

 

 

○宝探し関連

ダンジョンや街に配置されている宝箱は「迷宮の目」、ワールドマップ上に隠された宝箱を探すのは「トレジャーサーチ」の魔法を使うと発見できます。

ダンジョンの宝箱は討伐系のクエストで再訪したついでに回収していくと効率的。

トレジャーサーチで発見できる秘密の宝箱は全部で100箇所。

やり込みという名の趣味の領域なのでスルーしても問題なし。実用的なものはあまり入手できません。

どちらのアイテム回収も攻略サイトを駆使すれば比較的短時間で終わります。

 

 

○合成関連

空気。素材集めの手間と、合成で作成できるアイテムの効果が見合っていない(合成武器は店売りより少し強い程度の性能)のでトロフィー目的以外で触る価値は皆無。

明らかにバランス調整に失敗している箇所の一つ。

 

 

○金策、カジノ関連

雑魚敵と戦っていればそこそこのお金が貯まりますが、合成用の素材武器などを揃えようとするとあっという間にお金がなくなります。

また、終盤以降のボス戦は回復アイテムを使わないと厳しいバランスになっているため、消耗品購入で出費がかさみます。

カジノはわりとガチンコ勝負な難易度に設定されている(DQのスロット等と違って、やれば確実に増えるわけではない)ので、純粋なギャンブル勝負でコインを増やそうとすると結構大変。

そういうわけで「伝説のギャンブラー」のトロフィーは、40万Gほど用意してコインを買うのが楽。

コインが7万5000枚あればトロフィーの条件になっているSランク景品4つと交換できるので、トロフィー獲得後にセーブせずにリセットすればお金(やアイテム)も元通り。

ついでにカジノでコインを買う前に手持ちのアイテムを売却して50万Gを工面し、「大富豪」のトロフィーも取っておくと効率が良いです。

 

 

○その他

私個人としてはキャラの声(CV)にはそれほどうるさく言わない性分ですが、そんな私が言及しないといけないほど今作の声演技は一部を除いてかなり悲惨。

素人声優(タレント声優)を主要キャラの声に起用するのはジブリらしいと言えばそうですが、いくらなんでもプロの声優や舞台出身の役者との技量差が激しすぎます。

2時間そこそこで終わる映像作品ならともかく、クリアまでに数十時間、イベントシーンだけでも数時間かそれ以上あるゲームで酷い演技に付き合わされるのは苦痛でした。

声優の起用・選定に関しては「開発チーム(またはスタジオジブリ)の自己満足・エゴ」という厳しめの評価にしておきます。

 

 

 

○総評

世界観や設定、優しげなグラフィック、BGMなど個々の素材は悪くなかったように思いますが、バランス調整などでやらかしていて台無しになっている感じの作品。

ストーリーをクリアするだけならそこまで粗は目立たないので、やり込み要素には一切手を付けない方が好意的な印象のまま終われて幸せかも。

声演技のマイナス要素を一切考慮しなかった場合でもRPGとしては凡作寄りの評価。

100点満点の減点方式で採点すると60点~70点ぐらい、加点方式でも80点ぐらい。

スタジオ・ジブリが制作に関わっているという点に価値を見出せるかどうかで、多少評価が上下するかなというぐらい。

決して駄作というわけではありませんし、雰囲気は好きな部類だっただけに色々と勿体ない作品でした。