今朝、会社へ向かおうと家を出たところ、雪が散らついていました。
それが納得できるほど寒い朝でした。

考えてみれば、今日、1月20日は二十四節気の「大寒」。

1年で最も寒いと言われる日ですから、そりゃあ雪も降るはずです。

アートで、特に絵画で「冬」や「寒さ」を感じさせる作品を選んでみました。

最初に頭に浮かんだのが、ブリューゲルのこの作品です。

 (ピーテル・ブリューゲル [父]「雪中の狩人」 1565 ウィーン美術史美術館
寒々とした雪の風景ではありますが、人が描かれているせいか、
それほど寒いとまでは言えないかもしれませんね。

 

風景から人の姿が消えると、とたんに寒さが増します。

 (モーリス・ド・ヴラマンク「雪」 1935 北九州市立美術館
フォーヴィスムの画家として知られるヴラマンクは、
この他にも様々な雪景を描いています。
その多くが、この作品同様、どんよりとした暗い空。
雪の白色以上に、この空が寒々とした印象を与えているのかもしれません。
でも、それが私にとっては心地よいのでしょう(あくまで絵画として観る分には)。
ヴラマンクの雪景(冬景)はどれも好きです。

 

ヴラマンクの影響を受けた日本人画家の佐伯祐三も、雪景色を描いています。

 (佐伯祐三「雪景色」 1927 東京国立近代美術館
ヴラマンク作品と比べると、冬や雪の冷徹さを捉えきれていないように思えます。
個人的には、佐伯祐三は好きなアーティストの一人なんですが、
彼には雪景より、どこかに人の温もりが感じられる街角の風景の方が似合いますね。

 

日本人で冬景色と言えば、最も印象深いのが雪舟の作品です。

 (雪舟「秋冬山水図(冬)」 15世紀末-16世紀初頭 東京国立博物館
雪が積もっているようでもあり、雪は全く見えないようでもある水墨画。
ただ、険しい岩や枯れ木がそう意識させるのか、
非常に寒々とした印象を憶えます。
この作品の中央には人が描かれているんですが、
ブリューゲル作品とは違って、それが温かみを醸し出す事はありません。
仮に自分がこの人物になると考えるだけで、やりきれない気持ちになります。

 

九州という比較的温暖な地に生まれ育っただけに、
寒々とした絵画作品を観るのは嫌いではありませんが、
実際に寒さを体感するような状況に置かれるのは苦手です。
本当に観るだけならいいんですがねぇ。

 

まだまだ寒い日がしばらく続きそうです。
皆様も風邪などひかれませんよう、暖かくしてお過ごしください