ここに宣言した通り、先週土曜日は釜ヶ崎大学大学院美学学会に行ってきました。
その名の通り会場があるのは、大阪市西成区の釜ヶ崎と呼ばれる地域。
前にも説明しましたが、東京の「山谷」のような労働者の街です。
地下鉄「動物園前」駅から10mぐらい行くと、アーケードがあり、
そこを通って、2つ目のアーケードの途中に目的地がありました。

ゲストハウスとカフェと庭 ココルーム」です。

古いビル1棟まるごとが、「ココルーム」という施設のようです。

立看板の横には今年初開催のアートイベント「岡山芸術交流」のポスターがあり、
なんとなくアートらしい雰囲気も漂っています。
ちなみにゲストハウスは宿泊者のみ立ち入り可能な2階と3階にあるようです。
カフェはこんな感じで、ポツポツお客さんの姿も。


さて、問題の「庭」がこちら。

鰻の寝床のように細長いビルの1階を抜けると、そこには案外広い庭が!
ビルの裏側からは、こんな風に緑が広がっています。

どこかで鶏の鳴き声が聞こえるな……と思ったら、
庭に鳥かごが吊らされており、そこに3羽の文鳥がいました。

私はこの日初めて参加した釜ヶ崎大学大学院の授業。

2016年のイベントはほぼ9月には終わるみたいです。
で、この日のカリキュラムは、美術家・森村泰昌と写真家・若原瑞昌のトーク。

「セルフィと存在〜自撮りとアイデンティティとまなざし」と題し、
若原さんが2009〜2013年に釜ヶ崎の淳仁を撮り続けた
男前写真館」について話し合うというものでした。
森村さんの三島作品(「なにものかへのレクイエム」シリーズ)についての話題や、
写真と絵の違いについての見解など、様々な話題が出ましたが、
「自撮り」については、特に何も言及されなかったような気がします。
以前は雑誌「美術屋・百兵衛」にコラムを連載していた森村さん。
何度かお会いしたこともありますが、
この日はとてもリラックスされているように感じました。

この日はとても転機が良かったので、庭に面したテラスでのイベントでしたが、

転機が良すぎて、熱中症に気をつけなければいけないぐらいでした。
葦簾があったので、直射日光は遮ることができましたけど。
その暑さもあってか、この日はカフェの売上が良かったようです。
ただ、9月に入ってゲストルームはあまり予約が入ってないとのこと。
いくつかある部屋の中には、森村泰昌さんの作品が飾ってある部屋があったり、
詩人の谷川俊太郎さんが机に詩を書いている部屋などもあるそうです。
私も一度は泊まってみたいという気持ちになりました。

さて、この日は自宅を出てしばらくしたところで、足に異変を感じました。
足元をよく見ると、片方の靴底が外れてしまっています。

家に戻って靴を履き替えている時間もないので、結局そのまま歩いていきました。
美術ファンや西成の住人など、大学院の授業を受けにきた人は様々ですが、
おそらくこの日、こんな靴を履いていたのは私だけでしょう。
ある意味で、私が最も西成に合っていたのかもしれません。