かつて新しい文化の発信基地のような存在だった渋谷パルコが、
今年8月7日、43年間の歴史に幕を降ろしました。
数々の先鋭的なアート作品を世に知らしめてきたパルコミュージアムは、
これを機に、渋谷から池袋へと移転することになります。
そして9月1日、パルコミュージアムが池袋パルコでリニューアルオープン!

そのこけら落としの展覧会となったのが「安野モヨコ展 STRIP!」です。


これは、漫画家の安野モヨコの全仕事を網羅する初の大規模展であり、
同時刊行の作品集が会場限定で販売されるようです。

ハッピー・マニア」や「働きマン」「シュガシュガルーン」といった人気作品や
現在執筆継続中の「オチビサン」「鼻下長紳士回顧録」など
20年を超えるの画業から厳選された原画が展示されるほか、
同展のために描き下ろした新作も披露
画集には単行本未収録でファンの間では“幻”と称されてきた
「さくらん」第2部の原稿が掲載されるようで、ファンなら必見ですね。

安野モヨコ展「STRIP!」PORTFOLIO 1996-2016■開催概要
会 期:2016年9月1日(木)〜26日(月)
時 間:10:00~21:00(最終日は18:00閉場/入場は閉場の30分前まで)
会 場:パルコミュージアム(池袋パルコ本館7階)
休館日:会期中無休
入場料:一般500円、学生400円、小学生以下無料

安野モヨコといえば、個人的に思い出すのは「働きマン」でしょうか。

この作品は週刊モーニングという青年誌に連載されていたので、
男の(しかもオジサンの)私も読む機会がありました。
テレビドラマになったので、ご存じの方も多いのでは?

ちょっと前の写真だと思いますが、ネット上でポートレイトを見つけました。

右の男性は彼女の夫、映画監督の庵野秀明ですね。
どちらの姓も音は「あんの」だからか、
結婚うると聞いた時も特に違和感はありませんでした。
でも、考えてみればかなりビッグなカップルですね。


さて、安野モヨコはデビュー前、岡崎京子のアシスタントをしていたそうです。
安野が送ったファンレターに返事が来たことが、
アシスタントになるきっかけだったとか。
つまり、ファンレターから始まった師弟関係ですね。

その岡崎京子の展覧会も、現在開催されています。

おそらく東京ですでに閉幕した展覧会の巡回展でしょうが、
伊丹市立美術館(兵庫県)で9月11日(日)まで開催されている

岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」がそれです。
原画をはじめ、学生時代のイラストやスケッチ、
掲載された雑誌、映画の関連資料などを通して、
岡崎京子をとりまくカルチャー、女性、社会、時代をとりあげる
大規模な展覧会
だそうです。

岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ■開催概要
会 期:2016年7月30日(土)〜9月11日(日)
時 間:10:00-18:00(入館は17:30 まで)
会 場:伊丹市立美術館
休館日:月曜日
入館料:一般800円、大高生450円、中小生150円

 

岡崎京子で有名な作品といえば、
やはり映画化もされたこの作品ではないでしょうか?

そう、沢尻エリカが主役を務めた「ヘルター・スケルター」です。
(右は別の作品、「pink」ですが……)
FEEL YOUNGという雑誌に連載されていたのは1995〜1996年で、
単行本が出たのが2003年(映画化は2012年)。
実はこの間に、岡崎は交通事故に遭い、
その後遺症によって事実上、作家生命を絶たれてしまったのです。


「ヘルター・スケルター」は違いますが、
岡崎京子の作品も男性誌で発表されることが多かったので、
いくつかは読んだことがあります。
しかも、彼女の生年は1963年なので私と同じ。
同世代ですから、作品の中で描かれていることも納得できることが多いのです。
あの才能が二度と発揮されることがないとすれば、
それはとても残念で、悲しいことだと思います。

せめて、展覧会場で、彼女の素晴らしさを再認識したいと思います。