今年は伊藤若冲の生誕300年という年。
そのため、この春には東京都美術館で「生誕300年記念 若冲展」が開催され、
展覧会最終日近くには4時間待ちの行列ができたことは記憶に新しいでしょう。

さて、若冲の生誕300年を記念する展覧会は、
東京だけでなく、彼が生きた今日とでも開かれています。
それが、今回紹介する「伊藤若冲 ─京に生きた画家─」。
東京の若冲展は、雑誌「美術屋・百兵衛」No.37で紹介しましたが、
京都の若冲展の情報も同じく「百兵衛」のNo.38に掲載しました。

この号には、若冲そのものの記事もあります。


さて、「伊藤若冲 ─京に生きた画家─」は9月4日(日)まで
京都・岡崎にある細見美術館で開催されています。

今年、この美術館には「春画展」を観に行きました。
その時もお客さんはかなり多かったのですが、今回の若冲展も人気は上々。
開催1ヶ月少々で来館者は5万人を突破したそうです。

「伊藤若冲 ─京に生きた画家─」では細見美術館の若冲コレクションに加え、
若冲の墓がある石峰寺、伊藤家の菩提寺・宝蔵寺など、
京都にある若冲ゆかりの寺院が所蔵する作品も展示されています。
その一部を紹介しましょう。


「雪中雄鶏図」


「伏見人形図」


「仔犬に箒図」

さらに、これまで紹介される機会の少なかった弟子の作品や、
若冲の京都での様子をうかがわせる文献資料も併せて展示されますので、
若冲が京都に残した息吹を実感できる機会となるでしょう。
会期は9月4日(日)まで
あと10日も残っていませんので、興味のある方はお早めに。
私もまだ観てないので、早く行かないと!

■伊藤若冲 ─京に生きた画家─■開催概要
会 期/6月25日(土)〜 9月4日(日)
会 場/細見美術館
交 通/地下鉄東西線「東山」駅2番出口より北へ徒歩約7分
時 間/10:00〜18:00(入館は17:30迄)
休館日/月曜(祝日の場合、翌火曜)
入館料/一般1,200円、学生1,000円

ちなみに、京都市美術館でも10月4日(火)から若冲の展覧会が開催されます。
それが、「若冲の京都 KYOTOの若冲」。
この展覧会は、2000年に「特別展覧会 没後200年 若冲」を企画監修し、
若冲ブームの火付け役となった美術史家で、若冲研究の第一人者でもある
狩野博幸が監修する京都ならではの展覧会。
こちらの出展作品も一部紹介しましょう。


「百犬図」



「象と鯨図屏風」

まだまだ若冲熱の覚めやらない2016年が続きます。