4回にわたって「あいちトリエンナーレ」の話を書いてきましたが、
今日はトリエンナーレそのものの話ではなく、
トリエンナーレを観に行った時に遭遇したものについて書きたいと思います。

最近よく「名古屋めし」という言葉を聞くようになりました。
名古屋市を中心とする中京圏が発祥の食文化、

もしくは他地域から中京圏に持ち込まれ発展した食文化を指すそうです。
具体的に挙げれば、味噌カツひつまぶし天むすきしめんでしょうか?
その中で、私が食べて来たのが「味噌煮込みうどん」です。
名古屋市美術館から長者町に移動する途中で、
有名な「山本屋本店」の栄本町通店があったので、ついつい寄ってしまいました。
夏季限定メニューの冷やしうどんなどもあったのですが、
注文したのは、もちろん「味噌煮込みうどん」です。
今回は「親子(かしわ)入り味噌煮込うどん」にしました。

最初に写真を撮るのを忘れてしまい、食べてる途中のものでスミマセン。
いつもながら写真を見ただけでは、食欲をそそりません(笑)
ただ、八丁味噌を使ったスープ(出し?)は癖になりますね。
一方、堅め(というか生煮え感覚)の麺はいつまで経っても慣れません。

岡崎市でも麺を食べました。
近年誕生したご当地グルメの「岡崎まぜめん」です。
岡崎の伝統的特産品である「八丁味噌」を使った麺メニューで、
その他にも7つの提議があるようです。
ただし、麺の種類はラーメンでも、うどんでも、そばでもOKとのこと。
ちなみに私が食べた麺は、ベトナムの「フォー」でした。

トリエンナーレの康生会場「岡崎シビコ」に近い
シン チャオというベトナム・フォー専門店のメニューです。
たっぷりの野菜が八丁味噌ベースのタレに絡まって、とてもヘルシーです。

さて、岡崎では喫茶店にも寄りました。
モーニングサービスが有名ですが、喫茶店も中京圏に定着している文化で、
小倉バタートースト」などは、名古屋めしとして認識されてるようです。
私が行ったのは、カフェレストラン「」という名の喫茶店。

外観はそれほど違和感がなく、ちょっと ダサイ純喫茶風ですが、
ガラス扉や窓の上下に見えるカラフルな装飾が奇妙にも思えます。
中に入ってみると・・・

そこはひと昔前のSF映画に出てくる未来のようでした。

ネット上の情報では、オーナーが予算不足から改装を業者に任せず、
自分でやったのでこうなってしまったとのこと。
どうやらアルミホイルなど身近なものを材料に使ったそうです。

それにしても、ここまで徹底すると見事ですね。
まるでこの空間全体がひとつの芸術作品のようにも見えます。
ただ、なぜか

ありふれた絵画や写真も額に入れて飾ってありました。
雰囲気を台無しにしそうな気もしますが、
チープさやキッチュさ、未来風、手作り感、一般的なアートが入れ混じることで、
摩訶不思議な世界を形作っているのかもしれません。

さて、岡崎ではこんなお土産も入手しました。

和泉屋の「オカザえもんどら焼き」です。
中身は、何の変哲もないどら焼きに焼き印が押してあるだけですが。


オカザえもんをご存じない方に説明しておきます。
この奇妙な人物?は、岡崎市の非公式キャラクター。
もともとは、現代美術展「岡崎アート&ジャズ 2012」で登場した作品です。

「あいちトリエンナーレ2013」の際には、
岡崎市から「岡崎アート広報大臣」に委嘱されました。
2014年3月に同職務を退任し、自由な立場で活動を始めますが、
あいちトリエンナーレ2016の開催に合わせて、
現在は再び岡崎アート広報大臣として活躍しているようです。
ちなみにオカザえもんは以外と人気、知名度ともに高く、
「ご当地キャラ総選挙2013」で全国2位
「ゆるキャラグランプリ2013」では全国22位になったという
輝かしい経歴を持っています。
その怪しげな風貌から毛嫌いする人が多いのも事実ですが(笑)

実は、今日紹介した喫茶店「丘」や和泉屋の「オカザエもんどら焼き」、
「岡崎まぜめん」はあいちトリエンナーレ2016の
公式ガイドブックでも紹介されているのです。
あいトリに行かれる時は、ぜひこれらの注目ポイントも頭に留めて置いてください。

さて、最後にアートらしい写真もひとつ載せておきましょう。

名古屋市美術館のある白河公園の近くに立っていた銅像です。
名古屋市立大学の山本眞輔名誉教授の「宙へ(to the space)」。
日本藝術院会員でもある、この日本彫刻界の重鎮には、
私の本業でいろいろとお世話になっています。
あまり彫刻のことはわからないのですが、
この方のおかげで少しは理解できるようになりました。
私が名古屋方面に足を向けて眠れない理由のひとつでもあります。