アート関係の編集業務を生業としているだけに、
仕事柄よく作品写真(4x5やブローニーなどのポジフィルム)に接します。
色の再現性や色校正時の見本になるなどの理由から、
デジタル全盛の時代なのに、いまだにアナログのフィルムを使っている会社は珍しいかも。
でも、いろいろな外的要因から、そろそろ全面的にデジタル移行する時期が近付いているようです。
主に問題は、フィルムの供給体制にあります。

ほとんどの印刷物が今やデジタルデータで作成される現代。
私の会社でも、編集作業はいわゆるDTPと呼ばれるコンピュータを利用した仕事です。
ただし最終的な作品の写真データはデジタルでも、元になる作品写真は主にアナログのポジフィルム。
しかし、付き合いのあるカメラマンさんの話では、もうすぐメーカーはポジを作らなくなるそうです。
それがいつかはわかりませんが、そんなに先のことではないらしく、
「早くデジタルに移行した方がいいですよ」というアドバイスももらいました。

さらに問題なのは、デュープ用フィルムがすでに製造終了になったこと。
写真作品などは絵画や彫刻などとは違って、ポジフィルムがオリジナル(作品そのもの)。
取扱いにはかなりの注意が必要なため、預かったオリジナルのポジフィルムは、
すぐにデュープ(複製)することにしています。
しかし、このデュープ用のフィルムがすでに製造終了となってしまったのです。
付き合いのあるラボ(現像所)にはまだ在庫があるようですが、
年内いっぱい保つかどうかという状態という話。
来年からはデュープを作ることは不可能になりそうです。
プロクラスでもデジカメ使用率が高まり、写真分解技術が高まった今、
デュープ自体の需要がかなり少なくなったことが原因でしょう。
あらためて時代がアナログからデジタルへ変化しつつあることを実感しました。

余談ですが、テレビの地デジ化までもう1ヶ月足らず。
しかし、私の家にはまだ地デジ対応テレビは1台もなく、アナログは3台もある状態。
マンション自体がCATV経由でテレビ放送を受信しているので、
「デジアナ変換」対応しており放送を見ること自体は可能なようですが、
番組表予約ができないなど、いろいろと支障があるようです。

50代が目前に迫ったオジさん世代の私にとっては、行きにくい世の中になったものです。