田舎の空はとても広い
旅先で見るそれは
雄大だあ
素敵だなって
そこに
開放感や
解放感を感じるのに
これが
いつもの風景になってくると
怖くなってきた
視界の多くが
空に占有されて
下界には何もないのだ
地平線が低すぎる
空が
そのまま落ちて来て
僕もろとも
押しつぶしてしまいそうだ
息苦しい
その息苦しさは
子供の時に
熱を出したときに見る夢と感触が近い
僕は
どこかの工場の中を
歩いている
それを
最初はモニターで見てる
時間と数字のカウンターが
モニターに表示されてる
ある数字のところで
カウンターは停まり
シーンは変わって
僕は仰向けに横たわっている
そして
上から
巨大な鉄くずの塊が
のしかかってきて目が覚める
それはそれは
息苦しくて
思い出すと発熱しそう
* * *
僕は
田舎を甘くみている
東京の生活があってこそ
理想的な田舎の暮らし
田舎の空を
東京に住んでて見るのと
田舎に住んでて見るのでは全然違うように
いつも
狭い東京の空を見てるから
田舎の空の広さに憧れる
つまり
憧れると言うことは
自分の空は
東京だと思ってる
この先
広い空が
当たり前になって
恐怖でなくなる日は来るのだろうか
それはまだわからない
父や母や妹と過ごした時間は
あまりにも短かった
今では
親孝行出来る相手は母だけになった
親孝行というものを
したことがない
だから
少しばかりそれをする
自己満足したら
また狭い空に帰ろう
そして
二拠点生活を組みなおしたい