蒲公英の種は

なかよし家族だね

 

いつか希望を求め

それぞれ旅立つんだろうね

 

家族も希望も

無縁だったな

 

機能不全とは言え

家族はあって

 

子どもなりに

希望もあった

 

将来なりたいものを

大人に話したら

 

それは絶対無理だから

諦めろと言われた

 

その理由に

気付くには

時間がかかった

 

あの父親の子供だから無理

真っ当な人生も無理

 

ボクに希望はない

僕になっても家族は持ってはいけない

 

結婚すれば

僕の家族に迷惑がかかる

 

そして

ボクは僕を諦めて

 

『今日も何もない良い日でした』

 

それだけで

心の平穏を保っていた

 

家を出て

大学生だった時も

就職した後も

 

父親や親戚から

電話がないだけでホッとした

 

深夜

酔っぱらいながら

電話してきた父親に

 

頼まれたのは

酒気帯び運転事故の示談金

 

他にも

いくつあっただろう

思い出したくないな

 

そんな父親も亡くなり

解放されたはずなのに
 

相変わらず

いつも漠然とした不安に

縛られてる

 

何でだろう

 

今日も

死なないから生きてるよ