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夜明けまで眠れない

ようやくウトウトしても

フラッシュバックで目が覚める

 

汗びっしょり

息苦しさと

耳元で聴いてるような動悸

 

何度も

シャツを変える

 

彼女の顔と放った言葉

『ウザいんだよ』

『この人頭がおかしい、こっちまで頭がおかしくなる』

『今すぐ出て行って、出て行かないから私が出て行こうか』

 

人格全否定

存在拒否

 

僕には

物理的な暴力以上

 

もう怖くて

冷静さを失い

 

とにかく逃げなきゃと

その週末には

どこでも良いから逃げようと

今の住居を契約した

 

持病があるのに

病院のことも考えず

 

そこからは

冷静を装いながら

顔を見るのが怖くて

 

それは

僕が父にしたように。。。

 

極力

接触しないよう

生活時間も変え

 

それも

僕が父にしたように。。。

 

時間が重なるようなら

外出したり

夜は銭湯通いで

いつもより長く入った

 

そして

彼女が会社に行ってる間に

逃げるよう家を出た

 

『頭がおかしい』

『今すぐ出て行け』

 

それは

僕を

虐待していたという

父親でさえ

使うことのなかった言葉だ

 

父より

恐ろしい存在に

大人の僕も子供になり

ただ怯えるしかなかった

 

何かを言えば怒り

何も言わなければ

言葉が足りないと叱責される

 

それも父親とよく似てる

 

僕が小学校高学年でも

夜尿症だったのは

精神不安定の顕れだろう

 

父親との関係

彼女との関係が

うまくなかったとしても

 

大人の僕の心は

息絶え絶えでも

 

僕だけに

課題があったとは言えないと

自責を和らげようと努力してる

 

でも

時々僕は

父親に気に入られるよう

良い子でいただろうか

 

彼女に気に入られるよう

良い人でいただろうか

 

父の恐怖に支配されていた

過去を思い出して

反省する子供になってしまう

 

それだけでもきついのに

言葉で負った傷は

眠ることさえ許さず

毎日、僕を追いつめる

 

午前中は

ほとんど寝たきり

ようやく午後に動き出して

 

真夏日のような天気なのに

寒くて

大量の汗

自律神経もボロボロ

 

言葉は

本当に本当に恐ろしい

 

言った方は

謝ればきっと済む

 

彼女がいつもするように

『謝ってるじゃない!』

と一喝で終わり

 

言われた方は

そう簡単には行かない

 

何とかしなきゃと思いながら

心と思考は

どうしようもない深い沼

 

忘れようとすればするほど

恐怖が浮かんで

息が止まりそうになる

 

僕の愛した彼女は

どこに行ってしまったのだろう

 

僕の

御守りには

彼女がくれたメッセージの紙が入ってる

 

『いつもいっぱいありがとう。

出会えて本当に良かった』

 

それは

辛い時

貧乏な時の

僕の希望だった

 

どこに行ってしまったの?

 

まだ

新しい病院は見つからない

月に1回の通院を2カ月に変えてもらい

あの街へはまだ戻る

 

心配してくれてる

ご近所さんに

とても本当のことは言えない

 

御守りは

誰にも

見つからないように

ポストに投函しよう

 

とにかく

彼女に見つからないように

 

また叱責されて

これ以上

心の傷を広げないよう

 

今日は

お風呂に入れなかった

 

出来たことは

ネット銀行の屋号付き口座開設だけ