この苗は
僕の今の希望
 
昨年収穫した檸檬の種から
芽を出して
冬を越えたもの
 
いつか
土地か
庭付きの家を手に入れたら
そこで育てて
 
また
檸檬の樹の生活をしたい
 
7鉢あったが
家を出るにあたり3鉢に減らして
大切に
電車で運んできた
 
彼女は
皮肉のように
『花や生き物をあんなに大切にしてるのに処分したんだ』
そう言った
 
断腸の思いで
本当に涙が出て
ごめんねと言いながら
処分したんだけど
 
そういうの
きっとわからない人だから
何を言い返しても
意味が無いと思って黙ってた
 
何かを育てることが苦手な彼女に
引き継いだ親の樹は
夏を越せないだろう
 
それもごめん
おそらく
ご近所さんが気付いて
何度かは水遣りしてくれると思うが。。。
 
彼女曰ク
大事に育てる
 
先日
最後の忘れ物チェックをした時に
苦労して綿棒で受粉させて
結実した若い実が
水切れで落果してた
 
ああ
やっぱり
 
ごめんよと
檸檬に謝りながら
たっぷり水をあげた

 

どんな時でも

基本は自分を優先するのが彼女で

それはそれで間違ってはいないと思う

 

彼女は

すぐ正しい正しくないを口にするけど

家族にそういうの要らないと思うのは

きっと僕が頭おかしいからなんだろう

 

生きて行く上での

信念の違い

 

僕は

お金も名声より

家族や身近な植物や生き物が大事

社会や他人より自分や家族や猫に認められたい人

 

彼女は

お金も名声も欲しい

社会や他人に認められたい人

誰かに褒められたい人

 

それが彼女の価値観なら

それで良いと思うし

多くの人が彼女のようなのかもしれない

 

彼女の言う

『この人頭がおかしい』は

間違っていないのかもしれない

 

それなのに

仕事嫌いで

出来れば働きたくなく

スケジュール帳を出来るだけ空白で埋めたい僕と

 

仕事好き

自分の作家活動重視で

スケジュール帳を

いつも埋めておきたい彼女

 

なんでだろう

 

それで

格差を感じてたと言われても困る

 

働きたくない僕が

株式投資や

ポイントの活用をしていると

 

お金お金

ポイント地獄などと

言う彼女

 

単純に

働くことがストレスな僕は

今も老後も

出来るだけ働きたくないし

 

ましてや

お金のために働きたくないのに

 

むしろ

お金に拘っているのは彼女

 

よくわからないサブスク契約

必要あるのか?と思う法人会の契約

個人事業もやってるなら

何故

アドビのサブスを経費にしないのか

細かく領収書を集めないのか

 

まあ

それを指摘すれば

ヒステリックになるから

言えなかったのだけど

 

総じて

彼女とは全く反対の経済観念だったと思うし

価値観が逆だったとも思う

 

欲しいもののためなら

働ける彼女は

働いて

お金を得て

そのお金で

欲しいものを得る

 

働いてまで欲しいものがない僕は

結局

お金を使わない

 

収入の格差があればあるほど

資産の差が出来るのは当たり前

 

あの家で

一緒に暮らし始めた頃の

資産額は大差なかったはず

 

僕には資産が残り

彼女には

お金で得た思い出が残った

 

それだけのこと

それでいいじゃんね

 

ああ

それにしてもこの苗

なんとか持って来れてほっとしてる

 

きっと

実がなるまでは後4年?

 

まずは

暫定的な転居の結論の2年は

現状維持

 

そして

檸檬の実が成る頃には

どこかに

定植できるようでありたい

 

そして

僕がこの世を去るその日まで

この希望と生きたい