HG ガンダムFSD

オリジンがもたらしたのは新しいファーストガンダム像の確立だけではなく、それに伴うモビルスーツの発展〜進化の再構築でした。大河原デザインをアレンジした当時はそのハイディテールを絶賛されるもあくまでも二次創作物的な立場に甘んじていたカトキハジメが長い年月をかけてファーストガンダムのモビルスーツのイニシアチブを取るようになったわけです。

キャラクターデザインも安彦氏からことぶき氏にバトンタッチ、どうやらシャア役の池田秀一氏もこのエピソードでシャア役を明け渡すらしいし、確実に世代交代は進んでいるみたいです。寂しいようでいて、けれど現代でも通用するクオリティのファーストガンダムが再び観ることができるのは楽しみですね。

さて、このガンダムはRX-78-1、アムロくんの白い悪魔の一歩手前くらいのものみたいです。北米で試験運用し欠点を洗い出して最終的にRX78-2に辿り着く、そういうプロフィールの持ち主みたいですね。

特徴的な黒い本体色はさておき、肩のビームサーベルはお馴染みの位置に二本、脇腹もいよいよコアブロックが検討されているのか二段に変更されかなり知ってるガンダムのシルエットに近づいています。

中折れ式のシールドや実体弾のライフル、ショルダーキャノン（作ってないけど）や後のアレックスにも通じる右腕のガトリングガン、陸戦を念頭に置いた武装と、甲とスリッパが別体化してる足や、脛にマウントされたアンクルカバーや、防塵も考慮したらしい胸のダクト形状などが特徴的です。

それと胸のダクト周りは一枚装甲を上乗せしたようにデザインされていて段付きになってます。後々肩ダクトが増設されても違和感が無いように伏線を引いてますね。

やがてこれがカトキガンダムに繋がってもおかしくないのかも。

ノズル多いな〜（笑）。

違いと言えばそこと膝横の丸いのがないところ、これもやがてつくのでしょうね。どのような解釈がされるのか楽しみ。

さて、キットは今時の小顔脚長の現代的なプロポーションを分割線を消す作業を極力減らしたパーツ構成で見事に再現しています。ふくらはぎの分割は芸術的ですらあります。こればっかりは仕方ない頭部と脛の後ろ、紙ヤスリで接着線を消したのはここだけでした、武器はさておき。

折しも接着部分の箇所で後ハメ加工が必要になりますがさして苦ではないです。パズルを解くみたいで割と好きな作業ですが、パーツ構成の進歩と共にどんどん減って行くのだろうなぁ。そこは寂しい…。

あと感心してしまったのがデカール。薄く細くでシールらしさがなくていよいよスライドデカールも出番がなくなるか…てことはなく細かいコーションとかはまだ分がある印象です。

いわゆるHGUCとは価格帯も違うからかける手間も違うので比較はできないけどHGの進歩と方向性が感じられる良いキットでした。