『犯人に告ぐ』(2004年)、『犯人に告ぐ2』(2015年)、『犯人に告ぐ3』(2019年)に続き2025年に刊行されたシリーズ第4作です。

 

第1作は、劇場型捜査という新しい概念を持ち込んだ警察小説でサスペンス満点。 一気読み必至の大傑作でした。

 

これに比べると、第2作以降は少々緊迫感が後退しますが、特殊詐欺、誘拐事件、裏金問題、IR誘致、総裁選、市長選などなど様々な要素を加えてボリュームアップされています。

 

2,3,4作は関係が深いので間を開けずに読むのが良いでしょう。

 

警察の包囲網を潜り抜け、負傷したまま行方をくらませた天才詐欺師・淡野の行方を追う神奈川県警。 特別捜査官の巻島は淡野逮捕への糸口をつかむべく、再度配信番組への出演を試みる。

 

一方、淡野を殺す指示を出した〔ワイズマン〕は、横浜へのIR誘致に向けて魑魅魍魎の政界へ介入していく。 そしてついに暴かれる一連の事件の黒幕の正体--巻島は県警を翻弄した巨悪を逮捕することができるのか。 堂々のシリーズ完結編! (出版社紹介文)
 

主人公・巻島と天才詐欺師・淡野の対決は前作で決着しましたが、淡野の上位の存在である巨悪〔ワイズマン〕は健在であり、警察内部に潜入した〔ポリスマン〕は誰か?という謎も残されていました。

 

本作では、巻島が再びネットTV出演による劇場型捜査を行って事件の手掛かりを追って行きます。

 

ストーリーはそれと並行して、総裁選や選挙戦におけるテロ事件、新型コロナまで描かれ飽きさせませんが、捜査は進展しません。

 

終盤、下っ端として犯罪にかかわっていた大学院生が〔kossy〕としてネットTVに登場してからストーリーは一気に加速、すべての謎が明らかになって終結します。

 

長かった第2作以降の事件が大団円を迎え、出版社紹介文にあるようにシリーズ完結なのかもしれません。 でもラストは巻島が新本部長に呼ばれたシーンで終わっているので、続編もあるかも。

 

このシリーズに関しては、とにかく第1作が超面白いのでお勧め。 第2作以降は間を開けず読めば、大きな流れを味わえるでしょう。