「翼を持つ少女」「幽霊なんて怖くない」に続く、山本弘さんのBISビブリオバトル部シリーズ第3作です。

 

”ビブリオバトル”とは、好きな本を紹介し合って聴衆の票を競うゲーム。 中高生など若い世代を中心に行われているようで、公式サイトも作られています。

 

BIS(美心国際学園)ビブリオバトル部は、ライバル校のミステリ研究会と交流試合を行うことになった。 しかし、ミステリ研会長の早乙女寿美歌(さおとめ・すみか)は圧倒的なプレゼン力と膨大なミステリの知識を持つ強敵で、周囲は振り回されるばかり。

 

両校のビブリオバトル対決の行方は? 寿美歌の個性的なキャラクターの陰にかくされた素顔とは? (BOOKデータベースより)

 

ビブリアバトルのテーマは一作目が『SF』、二作目が『恐怖』でしたが、本作は『ミステリ』。 やはりこのテーマは一番身近?で、下記のような作品が紹介されたり、言及されたりしていました。

 

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」、吉見知子「絶叫仮面」、詠坂雄二「電氣人間の虞(おそれ)」、アシモフ「黒後家蜘蛛の会」、西澤保彦「七回死んだ男」、綾辻行人「十角館の殺人」、河野裕「つれづれ北野坂探偵舎」、バークリー「毒入りチョコレート事件」、米澤穂信「愚者のエンドロール」、東野圭吾「超・殺人事件」、新井素子「ひとめあなたに…」、芦辺拓「地底獣国の殺人」、静月遠火「パララバ」、高畑京一郎「タイム・リープ」などなど

 

既に読んだ作品も、まだ読んでいない作品もあったけれど、「電氣人間の虞」は一度読んでみたくなりました(^^♪

 

全編がミステリ、SF、コミック、特撮などの山本弘さんらしい蘊蓄が満載なのですが、それに加えて本編のストーリーにもミステリ的どんでん返しがあって驚かせてくれました。

 

読書好きなら絶対楽しめるシリーズだと思います。 一作目はSFテーマで少しマニアックなので、二作目あたりから読むのが良いかもしれません。

 

 

*作者の山本弘さんが今年の3月29日に誤嚥性肺炎のため亡くなられました。

 享年68歳。 まだまだ素晴らしい作品を期待していたのですが残念です。

 ご冥福をお祈りします。