織守きょうやさんは1980年ロンドン生まれ。 早稲田大学法科大学院を修了して弁護士になり、2013年に「霊感検定」で作家としてもデビュー。 2021年に専業作家となるまでは弁護士として働くかたわら執筆していました。

 

私は初めて読む作家なのですが、ブロ友さんの間では評判が高く、中でも本作はかなり強烈な内容であると漏れ聞いていました(^^;)

 

憧れの家庭教師だった真壁が結婚を前に脅されていることを知り、僕は尻込みする彼にかわり探偵事務所に調査を依頼。 そこに現れたのは中学時代にいじめに遭っていた従兄をえげつない方法で救ってくれた先輩の理花だった。


調査を進めるにつれ、見えてきた真実。 背筋も凍るラスト。 気鋭のミステリ作家による、衝撃の傑作長編! (BOOKデータベースより)

 

プロローグのいじめ事件から、なにやら不穏な空気が立ち込めており、前評判もあって、既にどんでん返しが仕掛けられているかも・・・と思って身構えながら読みました。

 

主人公の大学生・木瀬芳樹は、正義感が強く真っ直ぐな性格。 探偵役の北見理花は目的のためなら手段を選ばずという対照的な性格で、これも何かの伏線かと思いながら読み進めたんですが・・・

 

終盤に明らかになった真相は私の想像を超えるものでした! いやー、この犯人は異常です。

 

さらにラストでは、主人公の木瀬が真実を語るかどうかの選択を迫られます。 真実を語れば、誰もが不幸な結果になることは目に見えています。 それでも真実を語り、犯人を断罪するべきか? 余韻の残るラストでした。

 

特殊な設定ではなく実際に起こりえる犯罪なだけに、余計にゾッとしますね。

 

どんでん返しの破壊力は今年読んだミステリの中でも1,2を争います。 お勧め。