ブロ友さんたちの間で評判の高かったこの作品、文庫化されていたので読んでみることにしました。

 

IT企業「スピラリンクス」の最終選考に残った波多野祥吾は、他の五人の学生とともに一カ月で最高のチームを作り上げるという課題に挑むことに。 うまくいけば六人全員に内定が出るはずが、突如「六人の中から内定者を一人選ぶ」ことに最終課題が変更される。

 

内定を賭けた議論が進む中、発見された六通の封筒。 そこには「●●は人殺し」という告発文が入っていた――。 六人の「嘘」は何か。 伏線の狙撃手が仕掛ける究極の心理戦。 (文庫裏紹介文)

物語は2部構成になっていて、第一部はIT企業「スピラリンクス」の2011年新入社員最終選考の様子が描かれていました。

 

謎の告発文によって6人のグループ・ディスカッションは滅茶苦茶になりますが、やがて告発した犯人が判明し、内定者も決定されます。

 

第二部は、その8年後。 「スピラリンクス」に入社した人物の視点で語られます。 8年前に犯人とされた人物は亡くなっており、残されたノートの記述がきっかけで、驚くべき真実が浮かび上がってくるのです。

 

・優秀な6人の就活学生が、告発文によって次々と仮面が剥がれ落ちていく衝撃

・犯人と思われる人物が次々と入れ替わる展開

・学生側も会社側も、嘘に満ちた就職選考。 これが事件にどうかかわるのか?

・一面だけで人を判断する愚かさ

 

などが織り込まれたストーリーは起伏が大きく、どんでん返しに次ぐどんでん返しで、二度三度四度と翻弄されてしまいました。

 

犯人とされた人物が何故その場で抗弁しないの? 真犯人の目的からすると手段のほうが手がかかりすぎ? など、後で考えると色々と無理やりな部分もあるのですが、とにかく状況変化にスピード感があるので一気読みさせられますね。

 

解説で、作者は最初にストーリーのメリハリの折れ線グラフを作り、事件発生や新事実の発覚などを設定、平坦な部分は新たな事象を差し込んで調整するとのこと。 なるほどなーと思いました。

 

他の作品も是非読んでみたいです。 お勧め!