スピード感があって先の読めないサスペンス小説というのを久々に堪能しました! これは、恩田陸さんの「ドミノ」、真保裕一さんの「ホワイトアウト」、大沢在昌さんの「走らなあかん、夜明けまで」などに匹敵する大傑作ですね! ・・・・ちょっとほめ過ぎかな(笑)

 

きっかけは近所の煙草屋の少女からのSOS。 ちっぽけなビリヤード場を経営する二十歳の兄ちゃんが出向いてみると死体が一つ。 その死体を巡って事態は命を懸けた戦いへと発展してゆく。 放火、リフォーム詐欺、死体遺棄、誘拐!?  恐るべき小僧が過剰な人助けに奔走する痛快・疾走エンターテインメント登場! (文庫裏紹介文)

 

物語の冒頭は、主人公の石川麒一(きいち)が死体を埋めるため奮闘しているシーンから始まります。 ひょんなことから死体の処分を引き受け、経営するビリアード場は放火にあい・・・・と、典型的な巻き込まれ型サスペンスかな? と思って読んでいたら、それからの展開のスピード感が尋常ではありませんでした。

 

ただのチャラい若者かと思われた主人公が、目覚ましい活躍を見せます。 とにかく絶体絶命の窮地に追い込まれても、絶対にあきらめない根性がカッコよかった。

 

作者の木内一裕さんは、「ビー・バップ・ハイスクール」などで有名な漫画家でもあるのですが、まるで漫画のような激しい展開で話が二転三転します。 マンガだと絵を追っていくだけでいいのですが、小説でこの疾走感は凄い!

 

とにかく未読の方はこのスピード感を是非味わって欲しいですね。

読後感も爽やかで、お勧めです!