今回の欧州旅行には、下記の6冊を持参しました。

井上夢人 「the SIX(ザ・シックス)」

中山七里 「恩讐の鎮魂曲」

須賀しのぶ 「革命前夜」

トム・ロブ・スミス 「偽りの楽園(上)(下)」

山本弘 「シュレーディンガーのチョコパフェ」

 

ちょっと多いかな?とも思いましたが、最終的には6冊中5冊を読むことができました。

 

飛行機のビデオセレクションに見たい作品がなかったので、読書に没頭できたのが大きかったのと、最初に読んだこの作品が非常に読みやすくて読書に弾みがつきました。

 

井上夢人さんの作品には、「the TEAM」という、同じような英語のタイトルで、同じように連作短編の作品があります。

 

ストーリー的なつながりはないのですが、超能力を扱った「the SIX」に対して、超能力を偽った「the TEAM」。 そして、どちらも読みやすく、井上さんとしては幕切れが爽やかと、なんとなく共通点を感じます。

 

どうして僕らには不思議な能力があるのだろう? あした起きる出来事が見えてしまう8歳の少女、他人の心の声が聞こえてくる中学生の少年、周りにありとあらゆる昆虫が集まってくる4歳の女児・・・・。

 

自らの存在に悩む、小さく弱い選ばれし者たち。 でも、一つになればきっと強くなれるんだ。能力に苦しみ、孤独に怯える6人の子どもたちの目に映る希望の光とは――。 力強くもあたたかい感動連作。 (文庫裏紹介文)

 

魔法使いの弟子たち」や「オルファクトグラム」など、超能力テーマの傑作を何作も書いている井上さんだけあって、予知能力や読心能力、念動力などなど、超自然的な現象がリアリティ豊かに描写されています。

 

しかし、この作品が意図しているのは、超能力そのものを描くことではなく、超能力を持ったが故の孤独感。 特に超能者を子供に設定することで、孤立感や悲哀が色濃くなります。

 

社会的に孤立してしまった超能力者たちがどのように救われるのか? それが、この作品の主題であり、温かい読後感につながっているのです。

 

少し物足りないのは、第6話で彼らの活躍を描き、もっと読んでいたいという気分が高まったところで終わってしまうところ。 続編書いて欲しいですねー。

 

そういえば、この”続編書いて欲しい!”というのも、「the TEAM」と共通していました。