――2014年9月21日投稿―――2024年7月2日更新――
フランツ・リストが作曲した数々のピアノ曲の中でも、一二を争う人気を誇るのがこの「ラ・カンパネラ」です。
この曲は、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第2番の第3楽章の主題を編曲して書かれたものであり、「パガニーニによる練習曲」の第3曲になっています。
リストは1831年に、パリのオペラ座で初めてパガニーニの演奏を聴き、大きな感銘を受けました。 当時、パガニーニはヴァイオリン界の鬼才として大センセーションを巻き起こしていて、その超絶的テクニックは、「悪魔に魂を売り渡した代償」とまで言われていたそうです。
この時まだ二十歳だったリストは、「自分はピアノのパガニーニになる」と決心。 その後は毎日、一日の半分は練習室に引きこもってピアノの猛特訓を続け、超絶技巧を手に入れます。
さらに超絶技巧が必要なピアノ曲を次々と作曲し、後年のピアニストを悩ますこととなるのでした。
”ラ・カンパネラ”とはイタリア語で「鐘」を表しますが、単に教会の鐘の音を模しただけではなく、哀愁を帯びた美しい主題が際立つ曲ですね。
映像付きで聴くとやはり超絶テクニックが必要であることがよくわかります。
↓ドミトリー・シシキンのピアノで
のだめでは、ドラマ第5話に登場。 シュトレーゼマンの若い頃の回想シーンで、彼の想い人であるミーナ(現理事長)がピアノで弾いていました。
ワレリー・クレショフ(ピアノ)
クレショフは、1987年にプゾーニ国際コンクールで優勝した際、その演奏をホロヴィッツが絶賛したという逸話があるほど、ホロヴィッツ張りの超絶テクニックの持ち主です。 ここでも、リストの難曲の数々を早めのテンポでハギレ良く弾いていて爽快な演奏です。